スペイン語文法ノート 英語なら a、an、the しかない冠詞もスペイン語では全部で9種類。男性名詞、女性名詞、単数、複数と、それぞれ冠詞が異なります。ここでは、定冠詞の具体的な用法について見てみましょう。




スペイン語定冠詞の用法


Última actualización: 5 de octubre 2016


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定冠詞 (Artículo determinado/definido) の用法

  すでに会話に登場した名詞など、相手にもわかっている名詞を修飾
話し手(書き手)と聞き手(読み手)の間で、了解しているものを表すという意味があります。

 Es una casa. La casa es muy grande.  (これは家です。その家はとても大きい。)

  修飾語、文脈によって限定されている場合
それ以外に考えられない、おのずと何を指しているかわかるなど、対象が特定されているものを表します。

 Las flores de nuestro jardín están en plena floración.  (うちの庭の花は満開だ。)
 Podíamos respirar los aires del campo.  (田舎の空気を満喫することができた。)
 Ten prisa, te está esperando el taxi.  (急いで、タクシーが待ってるよ。)

  その環境、場面においてひとつしかなく、特定できる場合
会話や話題の展開する場面・環境において、対象が特定されているものを指します。

 ¿Ha venido ya el cartero?  (もう郵便屋さんは来たの?)
 Siéntese a la mesa.  (テーブルについてください。)

  一般的な概念として話題にする場合
「普通○○は~」、「だいたいにおいて○○というものは~」など、総称的な意味を表します。

 El hombre es mortal.  (人はいつかは死ぬ。)
 El azúcar es dulce.  (砂糖は甘い。)
 Prefiero los perros a los gatos.  (ネコより犬のほうが好きだ。)
 Las mujeres gastan más dinero que los hombres.  (女性は男性よりも金を使うものだ。)
 Los profesores están mal pagados.  (教師の給料は安い。)

  抽象名詞とともに使われ、概念を一般化する。
抽象名詞につけることで、その概念を一般的なものにします。

 Para la salud, el sueño es muy importante. (健康のためには、睡眠はとても大事だ。)
 ¿Qué son el tiempo y el espacio? (時間と空間とは何か?)


  肩書きにつけて使われる
敬称や称号、肩書きとともに使用されます。ただし、直接当人に呼びかける場合は、何も冠詞はつきません。また、外国の敬称や、don、doña、santo、santa などの称号に対しても無冠詞になります。その他、同格として挿入される敬称にも冠詞はつかず、無冠詞です。

 El señor Martínez viene.  (マルティネスさんが来る。)
 El presidente Obama  (オバマ大統領)
 Buenos días, señor García.  (おはようございます、ガルシアさん。)
 Don Ramón vino a visitarnos anoche.  (ドン・ラモンが昨夜訪ねてきた。)
 El señor Zapatero, presidente del gobierno de España, hizo una visita oficial a este país.  (スペインの首相であるサパテロ氏はこの国を公式訪問した。)

  同格として挿入する職業名につける
「医者である○○さん」など、名前の後に職業名を持ってくる場合などに使用されます。

 Ramón el médico  (医師であるラモン氏)
 mi hermano el ingeniero  (技師である私の兄)

  身体の一部、身に着けるもの、所有するもの
話題となっている人の身体の一部、身に着けているものなどにつけて使用されます。ただし、通常は2本ある腕のうち1本とか、その人の手ではなく他の人の手などを対象とする場合、定冠詞ではなく、所有形容詞や不定冠詞が使われます。

 Ella tiene los ojos azules.  (彼女は青い目をしている。)
 Levantad la mano, chicos.  (みなさん、手をあげてください。)
 Nos pusimos el abrigo.  (我々はコートを着た。)
 Me lavo las manos.  (私は手を洗う。)
 Le limpio los dientes al niño.  (私は子供の歯を磨いてやる。)
 Le puse el sombrero en la cabeza.  (彼はソンブレロを頭にかぶった。)
 Me puse su sombrero.  (私は彼のソンブレロをかぶった。)




  国語の前につく
「スペイン語」、「日本語」など、男性形の定冠詞をつけて国語名を表します。ただし、以下の動詞の後に国語名が来る場合、無冠詞となります。

aprender, hablar, estudiar, comprender, saber, leer, oir, esciribir, en, de

 El francés es más fácil que el alemán.  (フランス語はドイツ語よりずっと易しい。)
 Ud. habla inglés, ¿verdad?  (あなたは英語を話しますよね?)
 Ud. habla un buen inglés.  (あなたは上手な英語を話します。)
 Ud. habla bien el inglés.  (あなたは英語を上手に話します。)
 Un libro en español  (スペイン語の本)
 Nuestro profesor de latin  (我々のラテン語の先生)
 un profesor de italiano  (イタリア語の教師)
 un profesor italiano  (イタリア人教師)

  a la + 地名の女性形形容詞
「スペイン風」、「イタリア風」など、その地名(国名)の特徴をそなえた様式、スタイルなどを表現する場合、女性形定冠詞をつけます。

Ella habla a la mexicana.  (彼女はメキシコなまりで話す。)
una tortilla a la francesa  (フランス風オムレツ)

  川、海、山、島、船、気象現象、天体

 el (río de las) Amazonas  (アマゾン川)
 el alba  (暁)
 el mar Mediterraneo  (地中海)
 el arco iris  (虹)
 los (montes) Pirineos  (ピレネー山脈)
 el sol  (太陽)
 las (islas) Filipinas  (フィリピン諸島)
 la luna  (月)
 el barco Titanic  (タイタニック号)
 la Tierra  (地球)




  修飾された固有名詞
固有名詞に条件をつけたり、修飾語(節)をつけて特有性をさらに強くする場合に使います。人名(主に洗礼名)に定冠詞をつけて呼称することで、親しい関係を表すという口語的用法もあります。また、「私の知っているマリア」など人名に修飾表現を伴い、限定する場合にも定冠詞が使われます。

 la España católica (カトリックのスペイン)
 el África del norte  (北部アフリカ)
 la Ingraterra isabelina  (エリザベス時代の英国)
 el Tokio del siglo veinte  (20世紀の東京)
 el pobre Juan  (かわいそうなホアン)
 el Miguel que yo conocí  (私の知っていたミゲル)
 la María que vino ayer  (昨日来たマリア)

  あだ名につく
名前と共に用いられる、その人の特徴を表す名詞語句につけて表現されます。

 Antonio el Tuerto (片目のアントニオ)
 Alfonso el Sabio (アルフォンソ賢王)
 Juan el Gordo (太っちょホアン)

  los + 姓(単数)
los + 姓(単数)でその家族を表します。

 los García  (ガルシア一家)
 En este pueblo abundan los García.  (この町にはガルシアという名前が多い。)

  国名・地名につく場合
国名・地名が定冠詞を伴う例は少ないのですが、慣例的に定冠詞をつけて表現する例があります。また、すでに定冠詞が名前の一部となっている国名・地域名については、もちろん、そのまま定冠詞をつけて表現します。

 la India (インド)
 el Reino Unido (イギリス)
 El Salvador (エルサルバドル)
 la República Dominicana (ドミニカ共和国)
 La Habana (ハバナ)
 El Escorial (エルエスコリアル)
 los Estados Unidos de América (アメリカ合衆国)

かっては、フランス語の影響によって、スペイン語でも国名に定冠詞を用いられる傾向が強かったようですが、最近では、徐々に省略される傾向にあり、なかには、アメリカ合衆国も定冠詞なしで使用される例もあるようです。

一般的に定冠詞を伴うケースが多く見られる名前には以下のようなものがあげられます。

 la Arabia Saudita (サウジアラビア)   la Argentina( アルゼンチン)   el Brasil (ブラジル)   El Cairo (カイロ)   el Camerún (カメルーン)   el Canadá (カナダ)   la China (中国)   el Cuzco (クスコ)   el Ecuador (エクアドル)   los Estados Unidos (アメリカ合衆国)   las Filipinas (フィリピン)   la Florida (フロリダ)   la Habana (ハバナ)   La Haya (デン・ハーグ)   la India (インド)  el Irak (イラク)   el Irán (イラン)   el Japón (日本)   el Líbano (レバノン)   La Meca (メッカ)   el Nepal (ネパール)   los Países Bajos (オランダ)   el Pakistán (パキスタン)   el Paraguay (パラグアイ)   el Perú (ペルー)   el Reino Unido (イギリス)   la República Dominicana (ドミニカ共和国)   El Salvador (エルサルバドル)   el Senegal (セネガル)   la Somalia (ソマリア)   el Sudán (スーダン)   el Tibet (チベット)   el Uruguay (ウルグアイ)   el Vietnam (ベトナム)   el Yemen (イエメン) 

  時間、食事、ゲーム
 Son las seis. (6時です。)
 Antes de la comida, jugaron al tenis. (彼らは食事の前にテニスをした。)
 tocar el piano (ピアノを弾く)

  年齢を表す
数詞を使って年齢を表す場合に、定冠詞 los が使われます。ただし、動詞 tener と組み合わせて使う場合は無冠詞になります。また、una mujer de 30 años など、前置詞 de を伴う場合も無冠詞になりますが、先行する名詞が人間ではない場合(「10年のお祝い」)は、定冠詞 los を使う場合が多いようです。また、cumplir の後に来る場合も、省略される傾向があります。

 Él cumplió (los) 30 años.  (彼は30歳を迎えた。)
 la celebración de los 10 años  (10周年のお祝い)
 La Guerra de los Treinta Años  (30年戦争)
 desde los catorce años  (14歳のときから)
 la generación del 98  (98年世代)
 Era una mujer de 37 años.  (37歳の女性だった。)
 Mi madre tiene 70 años.  (私の母は70歳です。)

  y でつなぐ名詞
 las plumas y los lápices (ペンと鉛筆)
 los niños y las niñas (男の子と女の子)
 el tío y la tía (叔父と伯母)

ただし、関係の密接な2つの名詞は最初の単語のみに使います。

 la sal y pimienta (塩コショウ)
 el pan y mantequilla (パンとバター)

  日、曜日の名前、時間
時間や曜日、月の日に使用されます。ただし、「4月」などの月の名前は無冠詞です。

 Viene el domingo. (日曜日に来る。)
 Llegó el cinco de enero. (彼は1月5日に到着した。)
 La tienda está cerrada los miércoles. (その店は水曜日が定休日だ。)
 Son las seis. (6時です。)
 Puso el reloj a las ocho. (時計を8時に合わせた。)

  季節の名前(en の後はつけなくても可)
 El invierno se acerca. (冬が近づいている。)
 No saldremos de la ciudad antes de la primavera. (我々は春が来る前に町を出るだろう。)
 Los cerezos florecen en (la) primavera. (春には桜の花が咲く。)
 En (el) otoño las golondrinas vuelven hacia el sur. (秋にはツバメは南へ向かって飛んでいく。)

  所有代名詞とともに使い、「私のもの」といった意味に
 Toma el mío. (私のを取りなさい。)
 ¿Vas en tu coche or en el nuestro? (君のクルマで行くのかね、それとも私ので行くか?)
 Estos guantes son los míos. (これらの手袋は私のものです。)


  動詞とともに使われ、その動詞を名詞化する。
 El viajar es más interesante que el leer. (旅行するのは本を読むより面白い。)
 Nos despertó el ladrar del perro. (私たちは犬の吠える声で起こされた。)





中性定冠詞 lo の用法

  形容詞、副詞などにつけて名詞を作る。
 Me consuela lo hermoso de su corazón. (彼女の心の美しさには慰められる。)
 ¿Has entendido lo dicho? (言ったことがわかったかな?)
 Lo barato resulta caro. (安物は結局高くつく。)

  普通名詞につけて抽象名詞にする(「~であること」)。
 Me salió lo poeta en mí. (自分の中の詩人の部分が出てきた。)
 Saca lo artista dentro de tí para pintar. (芸術家としての内面を引き出して絵を描きなさい。)

  lo を使った慣用表現
lo +比較級+posible「できるだけ~」
 Llegaré allí lo más pronto posible. (そこにできるだけ急いで到着しよう。)
 Compro lo más posible en tu tienda. (君の店でできるだけたくさん買おう。)

lo +形容詞または副詞+que「どんなに~であるか」(強調文)
 Me contó lo guapa que es su novia. (彼は私に自分の彼女がどんなに美しいか語った。)
 No se puede explicar lo maravilloso que tiene el amor. (愛がどんなに素晴らしいものか説明することはできない。)

a lo +人名「~風に、~のスタイルで」
 Cantó a lo Vicente Fernandez. (彼はビセンテ・フェルナンデス風に歌った。)
 Aquí hay una técnica de escribir a lo Pablo Neruda. (これが、パブロ・ネルーダ風の書き方のテクニックです。)

lo +de「~のこと」
 Se me ha olvidado lo de ir al cine consigo. (彼と映画に行くことを忘れていた。)
 Cuéntame más lo de su negocio. (あなたのビジネスのことをもっと話してください。)