スペイン語文法ノート 英語なら a、an しかない不定冠詞もスペイン語では全部で4種類。男性名詞、女性名詞、単数、複数と、それぞれ冠詞が異なります。ここでは、そもそも不定冠詞の役割は何なのか?―といったことも含めて、スペイン語の不定冠詞の特徴を押さえておきましょう。




スペイン語の不定冠詞の特徴


Última actualización: 22 de abril 2016


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スペイン語の不定冠詞の特徴

ここでは、主に英語と比較した場合の特徴について述べてみたいと思います。主な特徴として、下記のような傾向が挙げられます。

  スペイン語の不定冠詞は存在しない?
こう言ってしまっては、このページ自体が意味をなさないものになってしまいますが、文法学者のなかには、「スペイン語の冠詞とは、定冠詞のみを言い、不定冠詞(un, una, unos, unas)は数を表す形容詞である」という意見もあります。もともと冠詞というものは名詞を言及するためにできたものであり、その意味では定冠詞だけが冠詞として見なされるべきだというスタンスだと思われますが、なるほど、世の中には定冠詞のみがあり、不定冠詞を持たない言語も存在しています。このサイトでは、スペイン語の冠詞として定冠詞と不定冠詞があるという前提で話を進めます。

  不定冠詞を使わずに無冠詞で表現する場合が多い
これは他のロマンス語(ラテン語を親言語とする言語)とも共通している特徴ですが、「私は○○です」など、身分や職業を表す「述語」の部分に使われる名詞には冠詞がつかないのが普通です。あえて不定冠詞をつけると「強調」の意味になります。英語では、He is a doctor(「彼は医者だ」)と不定冠詞の a を使うところを He is doctor と、無冠詞で表現するというわけです。同様に、特定の前置詞の後に来る名詞にも冠詞を使いません。

  不定冠詞に複数形がある
英語の a、an には複数形はありませんが、スペイン語の不定冠詞には複数形があります。もともと不定冠詞は、「1つ」を意味する単語から派生したもので、「1つ」が複数になるというのも辻褄の合わないような話ですが、スペイン語では「いくつかの」という、英語の some に近い意味で使われます。

以上、スペイン語の不定冠詞について大まかな特徴を挙げてみましたが、歴史的にも、不定冠詞が生まれたのは定冠詞の後でもあり、「あの○○」、「その○○」など、前述の名詞を指し示す役割を持つ定冠詞と対照させる冠詞として登場したという説があります。英語の例を挙げると、There is a house. The house is... といった用例がわかりやすいでしょう。

また、「無冠詞」の名詞の用例も多く、複数形もあることから、スペイン語の不定冠詞は果たして冠詞なのかという疑問が生まれるのも無理もないことかもしれません。





スペイン語の不定冠詞の役割

スペイン語の不定冠詞はどのような場合に使うのかをまとめてみると、下記のようになります。

  その名詞が話し手にとって特定されるが、聞き手にとって特定されていない場合
「昨日本を買ってね。その本は…」と話し手が語り始める場合、その「本」自体は話者の頭のなかでは具体的に「どの本」なのかが特定されています(そうでなければ語れません)が、聞き手にとっては(前もって伝えておいたなどの場合を除いて)初めて登場する「本」なので特定されていません。そんなときに「本」という名詞に不定冠詞を使います。

  話し手にとって名詞を特定しない場合
「ここら辺に郵便局はありませんか」と尋ねる場合など、話し手にとってはその「郵便局」が特定されていません。あるいは、郵便局ならどこでもいいという前提で、特定する必要のない場合に不定冠詞をつけます。

  数量の概念を表現したいとき
「本を買いに行く」といった状況で、話し手の頭のなかでは「どの本」を買うのか決まっていないが、とりあえず1冊だけ買おうという場合は、 un libro と単数で表現しますが、数冊買っておこうという場合は unos libros となります。また、数字の前に複数形がつくと「およそ~、約~」の意味になります。




  修飾語をつけるなどして、その名詞がより具体的になっている場合
「彼は医者です」という場合の「医者」は通常無冠詞ですが、「良い医者です」など修飾語を伴う場合、 un buen médico と不定冠詞を使います。

  その名詞の持つ性質を強調したいとき
身分や職業を表現する場合は無冠詞が普通ですが、その性質を強調する場合に使います。たとえば、「役者」(actor)という言葉には「演技の上手な人」という性質があります。実際にその人が俳優であるかは別にして、「彼はまさに役者だね」というとき、 Es un actor というわけです。

  意味的に関連する名詞を作る場合
固有名詞につけて、「彼はピカソのような画家だ」とか「ピカソの絵を一枚買おう」など、「~のような人」「~の作品」という名詞を表すことができます。