スペイン語文法ノート スペイン語を学習していて、もうひとつわからないのが se というやっかいな要素。再帰代名詞であったり、間接目的代名詞になったり、あるいは、受身に使われたり… 複雑怪奇な se をブレークダウンしてみましょう。




se の見分け方と文例集


Última actualización: 18 de abril 2016


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se の見分け方

se の用法でも説明しましたが、se を使った用例には、さまざまな種類があり、その分類もむずかしく、前後の脈絡、意味から判断するしかない場合もあります。

下の図は、se の用例の見分け方の目安を示したものです。


まず、文章中に三人称の目的語(直接目的語と間接目的語)があり、かつ、使われている動詞が「与える、言う、送る」などの与格的な意味を持つものであれば、その se は「与格の se 」であると判断することができます。

この条件に当てはまらない場合は、動作主=主語であり、主語=目的語(se)、つまり、se を主語の名詞に置き換えて、「自分自身を/に~する」という意味になれば、「再帰的表現」と言うことができます。さらに、動詞が複数であれば、「お互いに~する」という「相互表現」と考えることができます。

次に、用例のなかでも多いとされる「受身表現」かどうかの確認をします。受身用例を見分けるには、行動主が表現されているかどうかを見ます。行動主が表現されずに、かつ、主語と動詞の数が一致していれば「受身の se」と見なすことができます。また、再帰的受身では、行動主は表現されないのが普通ですが、なかには por María などのように「por ~」で表現されている場合もあります。もちろん、この場合も「受身」ということになります。

行動主が表現されていない場合で、主語が明らかに不在と思われる場合、あるいは、動詞の数は三人称単数で、登場する名詞の数と一致していない(名詞は複数、動詞は単数)場合は、「無人称の se」という判断が可能です。また、「se + 動詞(三人称単数)+ a (前置詞) + 人間・動物を表す名詞」という文章構造になっている場合も「無人称」と考えることができます。

一方で、使われている動詞が、arrepentirse など代名動詞としての用法しかない場合は「強制的代名動詞の se」であると判断することができます。

以上のような条件に該当しない場合は、自動詞的な意味や強調・関心を表す表現、あるいはニュアンスや意味の異なる「中間態」としての用例になります。ここで挙げている分類は、独自のものであり、決まったものではありませんので、分類そのものにはこだわらず、文脈や意味から、文章にふさわしい判断をしてください。





se の文例集

以下、実際に se を使った文例を集めてみました。分類の種別はse の用法に基づいています。

例文 説明
与格人称代名詞としての se
Se lo doy.
(あなたにそれをあげます。)
直接・間接目的語がともに三人称代名詞。
María se lo regaló.
(マリアは彼にそれを贈った。)
直接・間接目的語がともに三人称代名詞。
再帰表現の三人称代名詞
La niña se peina.
(女の子は自分の髪をとかす。)
直接再帰用法。主語=行動主=直接目的語 (se)。
José se baña.
(ホセは風呂に入る。)
直接再帰用法。主語=行動主=直接目的語 (se)。
José se lava la cara.
(ホセは自分の顔を洗う。)
間接再帰用法。主語=行動主=間接目的語 (se)。
Se ha cortado con el cuchillo.
(彼はナイフで切り傷を負った。)
直接再帰用法。主語=行動主=直接目的語 (se)。
Se ha cortado el dedo con el cuchillo.
(彼はナイフで指を切った。)
間接再帰用法。主語=行動主=間接目的語 (se)。
Juan se compró un coche.
(ホアンは自分のために車を買った。)
間接再帰用法。主語=行動主=間接目的語 (se)。
María se dijo: "Tengo que perder unos kilos."
(マリアは「少し痩せないと」と独り言を言った。)
間接再帰用法。主語=行動主=間接目的語 (se)。
相互表現の三人称代名詞
María y Luisa se escriben cartas.
(マリアとルイサは手紙のやりとりをしている。)
間接相互用法。主語=行動主=間接目的語 (se)。主語は複数で相互関係にある。
Carlos y Victoria se aman.
(カルロスとヴィクトリアは愛し合っている。)
直接相互用法。主語=行動主=直接目的語 (se)。主語は複数で相互関係にある。
Ellos se miraron cariñosamente.
(彼らは互いに優しく見つめ合った。)
直接相互用法。主語=行動主=直接目的語 (se)。主語は複数で相互関係にある。
Ellos se miraron la cara cariñosamente.
(彼らは互いの顔を優しく見つめ合った。)
間接相互用法。主語=行動主=間接目的語 (se)。主語は複数で相互関係にある。
受身表現の se
Se venden pisos.
(階が売られている―空き部屋あります。)
主語と動詞の数が一致。主語≠行動主。行動主は言及されていない。
Se firmó el acuerdo de paz.
(平和協定が結ばれた。)
主語と動詞の数が一致。主語≠行動主。行動主は言及されていない。
Los edificios no se han construido todavía.
(それらの建物はまだ建設されていない。)
主語と動詞の数が一致。主語≠行動主。行動主は言及されていない。
La carta no se recibió.
(その手紙は受け取られなかった。)
主語と動詞の数が一致。主語≠行動主。行動主は言及されていない。
Se comenta que la influenza H1N1 es muy peligrosa.
(H1N1インフルエンザはとても危険だと言われている。)
主語と動詞の数が一致。主語≠行動主。行動主は言及されていない。
無人称の se
En este restaurante se come muy bien.
(このレストランは流行っている、美味しい。)
主語が不在。動詞が三人称単数。「人々は」など不特定・一般的な主語を補って解釈することが可能。
Se vive bien aquí.
(ここの暮らしぶりは良い。)
主語が不在。動詞が三人称単数。「人々は」など不特定・一般的な主語を補って解釈することが可能。
Aquí se vende vino.
(ここではワインを売っている。)
主語が不在。動詞が三人称単数。「人々は」など不特定・一般的な主語を補って解釈することが可能。
Se avisó muy tarde al jefe.
(かなり遅くなってから上司へ連絡が行われた。)
主語が不在。動詞が三人称単数でかつ、人間・動物を表す名詞に前置詞 a を伴った目的語を表現。
Se corre mucho en la autopista.
(高速道路はよく走る。)
主語が不在。動詞が三人称単数。「人々は」など不特定・一般的な主語を補って解釈することが可能。
Se fuma mucho en los baños.
(よくトイレでタバコを吸っている。)
主語が不在。動詞が三人称単数。「人々は」など不特定・一般的な主語を補って解釈することが可能。
Nunca se encontró al culpable del crimen.
(犯人はとうとう見つからなかった。)
主語が不在。動詞が三人称単数でかつ、人間・動物を表す名詞に前置詞 a を伴った目的語を表現。
Se atendió a más de 1000 pacientes en las comunidades.
(地域では1000人以上の患者が手当てを受けた。)
主語が不在。動詞が三人称単数でかつ、人間・動物を表す名詞に前置詞 a を伴った目的語を表現。
自動詞的用法における三人称活用形
No se asuste usted.
(どうかびっくりしないでください。)
自発的動作の表現。asustar 「びっくりさせる」→ asustarse 「びっくりする」という自動詞的な意味に。
Se alegró mucho de verla.
(彼は彼女に会えて嬉しかった。)
自発的動作の表現。alegrar 「喜ばせる」→ alegrarse 「喜ぶ」という自動詞的な意味に。
El padre se enojó mucho con su hijo.
(父親は息子に対してたいそう怒った。)
自発的動作の表現。enojar 「怒らせる」→ enojarse 「怒る」という自動詞的な意味に。
Carmen se levantó de la cama.
(カルメンはベッドから起き上がった。)
自発的動作の表現。levantar 「上げる、立てる」→ levantarse 「起き上がる、立ち上がる」という自動詞的な意味に。
Ellos se calentaron al lado del fuego.
(彼らは火のそばで暖まった。)
自発的動作の表現。calentar 「暖める」→ calentarse 「暖まる」という自動詞的な意味に。
Un joven se ahogó en un río.
(若者が川で溺れた。)
自発的動作の表現。ahogar 「溺死させる」→ ahogarse 「溺れる」という自動詞的な意味に。
La tierra se hundió con el terremoto.
(地震で地面が沈下した。)
自発的動作の表現。hundir 「沈める」→ hundirse 「沈下する」という自動詞的な意味に。
Esta ropa se lava muy bien con lejía.
(この洋服は洗剤できれいに洗える。)
状態・性質の表現。主語である物の一般的な性質・状態を表す。「簡単に」「良く・悪く」といった副詞句を伴うことが多い。
El libro se lee muy bien.
(その本は読みやすい。)
状態・性質の表現。主語である物の一般的な性質・状態を表す。「簡単に」「良く・悪く」といった副詞句を伴うことが多い。
El hielo se derrite rápidamente.
(氷はすぐに溶ける。)
状態・性質の表現。主語である物の一般的な性質・状態を表す。「簡単に」「良く・悪く」といった副詞句を伴うことが多い。




意味の異なる代名動詞の三人称活用形
Un empleado se apropió de todo el dinero de la compañia.
(一人の従業員が会社の金をすべて自分のものにした。)
意味の変化。apropiar 「適合させる」→ apropiarse 「自分のものにする」という異なる意味に。
Juan era tan cansado que se durmió en seguida.
(ホアンは疲れていたのですぐに眠りについた。)
意味の変化。dormir 「眠る、眠らせる」→ dormirse 「眠り込み」という異なる意味に。
Se durmieron los pies sentandose sobre ellos.
(正座していたので足がしびれた。)
意味の変化。dormir 「眠る、眠らせる」→ dormirse 「足などがしびれる」という異なる意味に。
Los niños se comportan muy bien.
(子供たちはとても行儀がよい。)
意味の変化。comportar 「事柄・行為が伴う」→ comportarse 「行動する」という異なる意味に。
Al verme se acordó pronto de quién era.
(私を見ると、彼はすぐに誰だか思い出した。)
意味の変化。acordar 「協定を結ぶ」→ acordarse 「思い出す」という異なる意味に。
Los ladrones se llevaron todo lo que teníamos.
(泥棒たちは根こそぎ盗んでいった。)
意味の変化。llevar 「運ぶ」→ llevarse 「持ち去る」という異なる意味に。
Ya no se usa llevar sombrero en la ciudad.
(都会では帽子を被るのはもう流行らない。)
意味の変化。usar 「使う」→ usarse 「習慣になる、流行る」という異なる意味に。
La bañera de mi casa se sale.
(うちの家の浴槽は漏っている。)
意味の変化。salir 「去る」→ salirse 「液体などが外に出る」という異なる意味に。
関心・強調用法における三人称活用形
Se comió diez platos.
(彼は10皿も食べてしまった。)
関心・強調の表現。comer 「食べる」→ comerse 「食べてしまった」という強調を表す意味に。
Carlos se bebió todo el vino que quedaba.
(カルロスは残っていたワインを全部飲んでしまった。)
関心・強調の表現。beber 「飲む」→ beberse 「飲んでしまった」という強調を表す意味に。
Se le murió su esposa ayer.
(昨日彼は妻に死なれた。)
関心・強調の表現。morir 「食べる」→ morirse 「死んでしまう」という強調を表す意味に。
Se fue en seguida.
(彼はすぐに行ってしまった。)
関心・強調の表現。ir 「行く」→ irse 「行ってしまう、立ち去る」という強調を表す意味に。
Juan se va a México.
(ホアンはメキシコに行ってしまった―もう戻ってこない。)
関心・強調の表現。ir 「行く」→ irse 「行ってしまう、立ち去る」という強調を表す意味に。
強制的代名動詞の三人称活用形
Se arrepintió de lo que había hecho.
(彼は自分のやったことを後悔した。)
強制的代名動詞。arrepentirse 「後悔する」という用例でしか用いられない動詞。
No hay que suicidarse.
(自殺をしてはいけない。)
強制的代名動詞。suicidarse 「自殺する」という用例でしか用いられない動詞。
Nadie se atreve a comprar un coche tan caro.
(誰もあえてそんなに高価な車を買おうとしない。)
強制的代名動詞。atreverse 「あえて~する」という用例でしか用いられない動詞。
Se fugó el acusado de participar en el asesinato.
(暗殺に加わった容疑者が逃げた。)
強制的代名動詞。fugarse 「逃げる、逃走する」という用例でしか用いられない動詞。
Carmen siempre se jacta de su belleza.
(カルメンはいつも自分の美しさを自慢している。)
強制的代名動詞。jactarse 「自慢する」という用例でしか用いられない動詞。
Los niños se obstinaron en salir a pesar de la lluvia.
(子供たちは雨にもかかわらず出かけると言って聞かない。)
強制的代名動詞。obstinarse 「意地になる」という用例でしか用いられない動詞。
La gente se queja de la comida aquí.
(人々はここの食事はまずいと文句を言っている。)
強制的代名動詞。quejarse 「愚痴・文句を言う」という用例でしか用いられない動詞。
La hija del presidente se rebela contra su mamá .
(大統領の娘は母親に反抗している。)
強制的代名動詞。rebelarse 「反逆・反抗する」という用例でしか用いられない動詞。