「通弁」クリエイティブ翻訳
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英語は「する」文化、日本語は「なる」文化

ここでは、言語表現における「積極性」という視点から日英言語を比較してみたいと思います。

自然のなせる技

「平和」というものは、西洋人は行動によって作り上げるもので、日本人はもともとそこにあるものと考えているということを聞いたことがあります。

西洋人は議論によってひとつの共通認識という「合意できる領域」に到達しようとしますが、日本人は、もともとそこにある「平和」を乱さないためにも、余計なことはしない(言わない)ほうがいいという傾向があるような気がします(最近では、思想的にもグローバル化してきていますので、一概には言えませんが、あくまでも固有の傾向として)。

自然に対する観方も日本人と西洋人では異なります。四季折々の変化を楽しむ日本人は自然との一体化、調和を好む国民であり、物事に対しても、人為的に強引に行うというよりも、「自然にそうなった」というのが好きです。会議などでも、よほど特別に強調する場合でない限り、「我々全員がこう決めました」とは言わず、「会議で決まりました」と言うほうが普通です。また、「娘夫婦が子供を産みました」というと、あたかも飼っている犬が子犬を産んだような感じを受けます。やはり、「子供が産まれました」というのが普通です。同様に、「努力して自分の英語力を高めました」というより、「努力したら、英語が上達したんです」など、自分以外の存在のおかげで自然にそうなったような言い方が好まれます。

自分を主体としないため、結果的に、そこに「謙虚さ」が感じられ、自分という主体をぼかしてしまうため、「主語」の概念も馴染みにくいのかもしれません。受身的な「なる」に対して、「する」のほうは、動作を強調するため、その動作を誰がやったかという「主体」が必要になってくるのではないかと思われます。

受身表現と能動表現

日本で翻訳されたマニュアルなどの表現には「受動態」表現が多いとよく言われます。

「電源を入れると、メニュー画面が表示されます」
When the power is turned on, the menu will be displayed.


というわけですが、これも、元の日本語に主語がないのですから、それこそ、「自然に」受動態になるのかもしれません。また、複雑な機械などの場合、原文の日本語に主語が表現されていないので、どのパーツを主語にしてよいかわからず、受動態で表現しておけば無難だという考え方もあります。

一方、英語のライティングの手引書などでは、能動態を使うことを奨励しています。ただし、動作の主体を表現したくない、表現のバリエーションをつけたい、という場合には受動態を使用することもできると説明されています。

逆に、英語から日本語への翻訳では、「ユーザーが機械の電源を入れると、機械がメニュー画面を表示します」といった文章はどこか居心地が悪い感があります。とはいえ、取扱説明書などの技術文書では、安全性に関わる問題も含んでおり、自然な日本語を追求しすぎてもよくない場合があり、ある程度の不自然さには目をつぶり、主語、述語の関係を明確にしなければならないこともあります。しかし、文章があまりにも長くなったり、不自然でわかりにくということになるのでは逆効果です。

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