「通弁」クリエイティブ翻訳
Copyright (C) Tuben. All rights reserved. Any reproduction or use of the contents is prohibited. 当サイトの内容の無断複写・転用はお断りいたします。
論理的な英語と理屈の日本語表現

ここでは、言語表現における「論理性」について考えてみたいと思います。

英語の論理性

英語のロジック(論理)とは、それ特有の難解な考え方があるというのではなく、誤解や矛盾を無くし、情報の発信する側と受ける側が共通の認識に立って理解するために必要な、考え方のルールということができるでしょう。

一般的な論理の考え方として、大きく2つの方法があります。1つは、演繹(えんえき)法と言うもので、普遍的・一般的な事実を前提として、そこから、別の事実を導き出すことで、「三段論法」と呼ばれるものがあります。たとえば、「動物には生命がある」(大前提)、「犬は動物である」(小前提)があり、そこから「犬には生命がある」という結論が出ます。

2つ目には、帰納法があり、経験的な事実をいくつか集めて、そこから一定の共通点を探り出し、それらを総合的に説明できる一般的な結論を出すことです。たとえば、「この業界では、こういった課題を抱えているため、同じ業界のこの企業にも同様の課題があるはず」といったようなことです。

どちらも言われてみればごく当たり前のことですが、この「当たり前」の考え方を枠組みにして情報を発信し、受け取るということが、日本語・英語間の翻訳ライティングではなかなか骨の折れる部分でもあります。

ロジックの枠組みで考え、説明するには、ある程度、批判精神(あら探しをするという意味ではなく、問題意識を持つということ)を働かせて情報を処理していくことが求められます。日本では、特別にこういった教育や訓練はしていないため、特に議論などになると、お互いの「共通認識の領域」を作らずに、そのまま自分の立場や自分なりの理屈で主張するばかりで終わってしまう場合が多いようです。お互い言おうとしている意見は根底では同じであるにもかかわらず、それぞれが違った言い方や理屈でしか主張しないため、平行線を辿り、やたら気まずい思いだけが残るということもよくあります。また、同一の言葉であるにもかかわらず、両者の持っている言葉の定義やイメージが異なるために誤解が生まれるということもあります。

日本語から英文ライティングを行う場合、議論とは異なりますが、誤解や意識のズレなどを最小限に抑えられるよう、最終的に読む人は誰なのか、という対象を頭に置きながら、こういった表現をするとこう取られないかといった意識上での議論を行いながら進めていく必要があります。

日本語の論理性

これは、日本語の文章が、全く論理的裏づけを無視して書かれているというわけではありません。ただ、日本語の文章構造が厳密でないため、表現されていない部分があり、そのため論理が飛躍を起こしているということがあります。また、書き手独自の理屈のなかで完結しているため、英語に転換する場合、普遍的な理論にまでなりきれていないという場合もあります。

たとえば、

「当社では、高品質の部品を通じて、機械業界、そして社会に貢献します」


という文章があるとします。日本語で読んだ場合、別に違和感はありませんが、いざ英語らしい表現に翻訳しようとすると不自然さを感じます。「機械業界」と「社会」を同じレベルで並列にしているという現象もありますが、「高品質の部品によって機械業界に貢献する」というのは機械の部品として使われるという前提があるため、理解できます。ところが、「部品で社会に貢献」という箇所がしっくり来ないのです。つまり、「前提」が明確に見えないからです。

問題意識を持って分析すると、「なぜ部品が社会貢献なのか」、「部品で社会貢献とはどういうことか」ということになります。寄付やボランティア活動で社会に貢献はわかりますが、部品で社会に貢献はそのまま考えると、論理的とはいえません。そこで、「部品を使った機械が社会で使用されることで、間接的に社会に貢献する意味である」といった普遍的に通用するロジックの流れを作ることが必要です。

前述した三段論法に当てはめると、

「部品は機械に使用される(貢献する)」(大前提)、「機械類は社会で広く使われる(貢献する)」(小前提)、よって、「部品は社会で使われる(貢献する)」(結論)というわけです。つまり、ロジックの流れを確立したところで、このロジックの流れが見えるような文章表現をしていく必要があるのです。

もちろん、日本語は非論理的な言語だから劣っているとか、日本語の文章に問題があるということを言っているのではありません。日本語とは、言葉や表現を自由に組み合わせてこそ、日本語らしさがあり、曖昧さのなかにその心地よさとおおらかさがあるのだと考えます。しかし、英語化する場合には、情報自体を厳しく鍛えて、厳密な構造にしていく必要があるのです。

イントロダクション
「翻訳」に問題意識をお持ちの方へ
不満の残る翻訳、その原因は?
通じないかもしれない翻訳例
違和感のある翻訳例
直訳の定義と弊害
原文に忠実とは?
クリエイティブ翻訳とは?
クリエイティブ翻訳の特長
クリエイティブ翻訳のプロセス
さまざまな制作物のクリエイティブ翻訳
英文の会社案内を作りたい
英文のカタログを作りたい
英文マニュアルを作りたい
英文情報誌を作りたい
英語のビデオを作りたい
英文の広告を作りたい
日本語と英語の違いとは?
あいまいな日本語と明確をめざす英語
省略する日本語と省略できない英語
英語は「する」文化、日本語は「なる」文化
論理的な英語と理屈の日本語表現
日本語の「起承転結」と英語の「序・本・結」
お問い合わせ・ご注文
「通弁」クリエイティブ翻訳ワークショップ
代表的なクリエイティブ翻訳実績
料金と納期について
チーフ・クリエイティブ翻訳ライターについて
「通弁」クリエイティブ翻訳 コラム
悩み多き翻訳文
クリエイティブ業界とは?
クリエイティブにはクリエイティブを
ビジネスにおける翻訳ライティングの影響
なぜ翻訳臭くなるのか?
日本語はどこがあいまいなのか?
日本語には主語がない?
自由自在の日本語表現
英語の起承転結・ロジック展開とは?
読むのが苦しい翻訳ライティング
良い翻訳のための良い原文とは
外国語が話せれば翻訳ができるのか?
ネイティブがやれば良い翻訳なのか?
翻訳の適正な料金とは?
「通弁」アーティスト
クリエイティブ翻訳実験室
クリエイティブ・バイリンガル・ライターズ
「通弁」クリエイティブ翻訳ブログ  海外ドラマブログ
rondely.com
eToko-Japan:英語で日本紹介
英語情報雑貨屋
さらでスペイン語