イタリア語の時制 (Tempi italiani)
イタリア語の現在形 (Presente italiano)
まず、イタリア語の「現在形」についてみてみましょう。
文字通り、「現在形」とは今起きていることを表す場合に使いますが、それだけでなく、明日明後日などの近い未来の行動や意志について表現する場合にも使います。
- Mangio una pizza.(私はピザを食べている。)
- Andiamo al cinema?(映画に行かない?)
- Non lavoro la domenica.(日曜日には仕事はしない。)
- L’estate prossima andiamo in vacanza a Parigi.(今度の夏はパリに遊びに行く。)
イタリア語の過去形 (Passati italiani)
次に、イタリア語の「過去形」についてみてみましょう。
イタリア語の「過去形」には主に次の5つの種類があります。
となります。
それでは、1つずつみていきましょう。
1. イタリア語の近過去(Passato prossimo)
「近過去」とは、話している時点から見て過去に起こった出来事を表現するための時制です。英語の「現在完了」に相当しますが、「近過去」の出来事は、「半過去」が完了しているかどうかは不明であるのに対して、すでに完了していることが明らかであり、出来事が起こった具体的な日時などが入ることも多いのが特徴です。また、現在に余韻を残していたり、何らかの影響を持っている行動である場合もあります。
まとめてみると
- 明確な過去の時に起きた事柄を表す
- すでに完了している過去の出来事を表現する
- 現在に何らかの余韻や影響を与えている過去の出来事を表す
また、上のセクションで見たように、近過去の構造は
avere+過去分詞 |
または |
essere +過去分詞(主語に合わせて語尾変化) |
となりますが、どちらを使うかは、動詞によって決まっています。また、essere を使う場合は、主語に合わせて過去分詞の語尾も性数変化します。
- Le ho scritto una lettera ieri.(私は昨日彼女に手紙を書いた。)
- Questa settimana ho visto Luigi.(今週ルイジに会った。)
- Ieri abbiamo mangiato delle pizze.(私たちは昨日ピザを食べた。)
- Questa mattina Maria è uscita presto.(マリアは今朝早く家を出た。)
- Ieri sono arrivati i suoi genitori.(昨日彼の両親が到着した。)
- Mi sono sposata nel 1995.(私は1995年に結婚した。)
essere か avere か?
では、どの動詞に essere か avere のどちらを使えばいいのかということになりますが、その目安としては
- その動作が目的語のみに影響する場合 → avere を使用
- その動作が主語にも影響する場合 → essere を使用
主な動詞についてどちらを使うのかをリストアップすると次のようになります。
動詞 |
意味 |
essere vs. avere |
accendere |
点火する、オンにする |
avere |
andare |
行く |
essere |
aprire |
開ける |
avere |
chiedere |
頼む |
avere |
chiudere |
閉じる |
avere |
correre |
走る |
avere |
dire |
言う |
avere |
essere |
~である、在る、いる |
essere |
fare |
する、行う |
avere |
leggere |
読む |
avere |
mangiare |
食べる |
avere |
mettere |
置く |
avere |
morire |
死ぬ |
essere |
nascere |
生まれる |
essere |
perdere |
失う、失くす |
avere |
prendere |
取る |
avere |
ridere |
笑う |
avere |
rispondere |
答える |
avere |
rimanere |
滞在する、残る |
essere |
scrivere |
書く |
avere |
scendere |
降りる |
essere |
spegnere |
消す |
avere |
vedere |
見る |
avere |
venire |
来る |
essere |
vivere |
生きる |
essere |
2. イタリア語の半過去 (Passato imperfetto)
「半過去」とは、「近過去」がすでに完了している事柄を表すのに対して、ルーチンや繰り返し行われている行動や、完了しているかどうかは不明である行動に対して使う時制であると言えます。
「近過去」の出来事は「何月何日」あるいは「昨日」など、起きた日時が明確であるのに対して、「半過去」では、「私の小さな頃」、「夏(冬)になると」、「高校時代」などの大きな時間の区切りを表す表現がともに使われることが多く、そのときに習慣的、日常的に行われていた行動などを表します。
また、「朝食を取っているときに彼女がやってきた」など、「彼女がやってきた」という「近過去」の出来事を表現するために、「~しているときに」といった「時間枠」を導入する場合に「半過去」を使います。
以上をまとめてみると
- 過去の習慣・日常的に反復された出来事を表す
- 「近過去」の出来事が起きるときに行われていた出来事を表す(近過去の時間枠導入)
- 過去の出来事やそこに登場した場所、人物などを描写(説明)するのに使う
実際の文章をみてみましょう。
- Da piccola amavo leggere.(子供のころは読書が好きだった。)
- Il nonno veniva a trovarci tutti i giorni.(祖父は毎日私たちに会いに来た。)
- Mangiavo quando è venuto il fattorino.(配達人が来た時食事をしていた。)
- Tutte le estati andavamo in Sicilia in treno.(夏には電車でシチリアに行ったものだ。)
- C’era il sole e gli uccellini cantavano.(太陽が出て鳥が鳴いていた。)
- Le montagne erano coperte di neve.(山々は雪で覆われていた。)
- La bambina aveva i capelli neri e gli occhi blu.(女の子は黒い髪と青い目をしていた。)
- Quando sono entrato, Mario stava dormendo.(私が入って来たときマリオは眠っていた。)
- Mentre andavo al supermercato, ho incontrato un mio amico.(私がスーパーに行く途中で友人と会った。)
- La casa era in un posto molto bello con vista panoramica sul mare.(その家は一面海に面した美しい場所にあった。)
- Tutti gli invitati erano molto eleganti.(訪れた人々はみなおしゃれだった。)
3. イタリア語の遠過去 (Passato remoto)
次は、イタリア語の「遠過去」です。「遠過去」は、現代の話し言葉ではほとんど使われることはなく、歴史の教科書など、歴史的な事実や過去の記録を述べる場合に使います。
「近過去」が現在に余韻や影響を与えているのに対して、「遠過去」は、現在に及ぼす関連性が一切ない(過去として現在とは切れている)出来事を表現します。
- Roma fu un centro politico e culturale.(ローマはかつて政治・文化の中心だった。)
- Giulio Cesare ebbe un ruolo fondamentale nell'antica Roma.(ジュリアス・シーザーは古代ローマにといて重要な役割を持っていた。)
- Mio nonno fu nato nel 1906 e fu morto nel 1989.(私の祖父は1906年に生まれ1989年に亡くなった。)
4. イタリア語の大過去 (Trapassato prossimo)
「大過去」とは、「近過去」あるいは「半過去」、「遠過去」で表された過去の出来事の前に起きた事柄を表現するときに使います。
- Maria era stanca perché aveva lavorato fino a tardi la notte prima.(マリアは前の夜遅くまで働いていたので疲れていた。)
- Ho risposto subito alla domanda perché Carlo mi aveva detto la risposta prima.(カルロが答えを前もって教えてくれていたので、私はすぐに質問に答えた。)
- La strada era scivolosa perché aveva piovuto.(雨が降っていたので道路は滑りやすかった。)
5. 先立過去(Trapassato remoto)
「先立過去」とは、文学や歴史的事柄を表現するときに使う「遠過去」よりも過去の出来事を表す場合に使います。
- Marco fu nato dopo che i suoi genitori si furono stabiliti in città.(マルコは彼の両親が街に定着してから生まれた。)
- Quando ebbero finito di cenare, lasciarono il ristorante.(夕食を食べ終えてから彼らはレストランを出た。)
- Non appena ebbero chiuso il negozio, iniziarono a mangiare.(店を閉めるやいなや彼らは食べ始めた。)
イタリア語の未来形 (Futuro italiani)
イタリア語で未来の出来事を表現する場合、近い未来は、domani(明日)、la settimana prossima(来週)などの未来を表すフレーズとともに、現在形を使って表現することができるため、必ずしも未来形を使う必要はありません。
しかし、それよりも遠い未来のことや、「~だろう」という推測や仮定、不確かさを含むようなニュアンスを含める場合に未来形を使います。
- L'anno prossimo viaggeremo in Giappone.(私たちは来年は日本に旅行するつもりだ。)
- Un giorno qualcuno risolverà questo problema.(ある日誰かがこの問題を解決するだろう。)
- Prevedo che la pandemia finirà il prossimo anno.(パンデミックも来年には終わると予測している。)
- Che ora sarà?(何時になるだろうか?)
- Quanti anni avrà Carlo?(カルロはいくつになるのか?)
- Se non piove, uscirò.(雨が降らなければ出かけるだろう。)
- Capirai il libro se guardi il film.(映画を観れば本が理解できるだろう。)
参考
https://learnamo.com/en/italian-past-tenses/
https://www.thoughtco.com/italian-present-perfect-tense-2011710
https://www.thoughtco.com/italian-remote-past-tense-2011716
https://www.thoughtco.com/italian-past-perfect-tense-2011707
https://www.thoughtco.com/italian-preterite-perfect-tense-2011713
https://www.thoughtco.com/the-future-tense-in-italian-4054122
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