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Last update January 12, 2019

コックニー英語(Cockney English

では、最近、特に若い人たちの間で「カッコいい」英語として市民権を得ようとしている「コックニー英語」についてみてみましょう。

その起源は、ロンドンのイースト・エンドにある街頭での物売りの人々が使っていた独特の言葉であり、伝統的には労働者階級の英語とみなされています。オーストラリア英語でも触れましたが、「マイフェア・レディー」(My Fair Lady)の主人公イライザ(Eliza)はコックニーの花売り娘です。彼女の英語を聞けば、これがコックニー英語だというのがよくわかると思います。 「The rain in Spain stays mainly in the plain」がどのように発音されるか、下記の URL で実際に聴いてみましょう。

https://www.youtube.com/watch?v=MJr9SSJKkII

コックニー英語の主な特徴をまとめてみると、次のようになります。

 t」の音が落ちる
厳密には「落ちる」というより、そこで息の流れが遮られてしまうので聞えないわけですが、このような音を専門的には「声門破裂音」 (glottalization) と言います。たとえば「ボタン」 (button) が「ボッン」、「ライト」 (light) が「ライッ」となり、Not now は「ナッ・ナウ」、let's start は「レッ・スターッ」などとなります。「t」だけではなく「d」や「k」の音も落ちることがあり、Hyde Park 「ハイドパーク」は「ハイ・パー・」のように聞こえます。

 h」の音が落ちる
つまり、前述のマイフェアレディ―に出てくるヒギンズ教授 (Professor Higgins) は「イギンズ教授」になり、「彼」 (he) は「イー」になり、「彼女」は (her) 「アー」になります。文字の読めない昔の人々は「h」を発音しないと学が無いとバカにされるので、とにかくなんでも母音で始まる単語には「h」をつけて発音してしまうこともあったとか。



 母音の発音
わかりやすい例では、rain、Spain などの「エイ」の発音が「アイ」になり、「ライン」、「スパイン」となったり、town、brown などの「アウ」の発音が「アー」になり、「タアーン」、「ブラーン」のように聞こえます。

 [θ] の発音が「f」になる
thin 「細い」が「フィン」になり、thick 「太い」は「フィック」になります。同様に、[ð] の発音は「v」や「d」などになるため、they は「ダイ」、bother は「バヴァ」のように聞こえます。

 my の代わりに me を使う
たとえば、That's my book you got hereAt's me book you got 'ere (アッツ・ミー・ブック・ユーゴッ・エア)のように聞こえます。ただし、「彼の本ではなく私の」のように強調する場合は、me の代わりに my を使います。

 韻を踏んだカラフルな表現を使う
オーストラリア英語にも影響を与えた韻を踏んだ表現(Cockney rhyming slangも大きな特徴のひとつです。ただし、発音も標準英語とは異なりますので、lightlie が同じ発音となり韻を踏むことになります。

 その他
その他の顕著な特徴として、ain't を使う、I didn't see nothing などの二重否定を使うといった傾向も挙げられます。