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Last update January 12, 2019

文法が違う?

発音だけでなく、文章の作り方にもアイルランド英語ならではの特徴があります。スコットランド英語と同じような表現もあり、日本の学校で学んだ英文法が当てはまらない場合があります。以下、アイルランド英語の文法の違いについてまとめてみました。




 アイルランド人は二者択一が嫌い?
「日本人はイエスかノーかをはっきり言わない」などとよく言われますが、アイルランド人も質問の答えに yesno を使いません。法廷の証人尋問じゃあるまいし、「はい」か「いいえ」で答えろなんて詰め寄られているみたいでイヤなもの。「来るの?」と聞かれれば「行くよ」とか「行かない」と答えればいいわけで、いちいち「はい、行きます」なんてまどろっこしくて…。そう、アイルランド英語でも、"Are you coming?" と聞かれれば "I'm coming" あるいは "I'm not coming" と答え、yesno を使わないのが特徴です。なんだか親近感を覚えますね。

 完了形も be 動詞と前置詞 after でカンタン表現
スコットランド英語と同様に、アイルランド語(ゲール語)の影響で、「have + 過去分詞」で表す「完了形」は「be 動詞+ after-ing 形」ですませます。"He has gone" 「彼は行ってしまった」は、"He is after going" つまり「行った後」というわけで、"I'm after eating""I'm after telling you" など英作文もラクラク。しかし、日本の学校の試験では「×」になりますので、ご注意。また、変形として、"I have eaten my lunch" の代わりに "I have my lunch eaten" という言い方もあります。

 have の使い方が一味違う
すでに述べた "Do you have English?" もそうですが、アイルランド英語では have の使い方が異なります。アイルランド語には英語の have に相当する動詞がないため、ついこういった用例が出てくるのでしょう。また、所有を表す場合、英語の with に相当する前置詞と me のような所有代名詞で表現するという特徴もあります。たとえば、"Do you have the book?" と尋ねられたら "I have it with me" と答えます。さらに、「彼は酔っ払っている」というときは "He is drunk" などと言うのは「よそ者」で、アイルランドでは "He has the drink taken" と言わないといけません。

 再帰代名詞はエライ人?
himselfherself など「~自身」という意味の再帰代名詞ですが、アイルランド英語では尊敬や権威のニュアンスが加わり「上司」や「一家の主」などを指す場合にも使われます。マフィアで言えば、さしずめ「ドン・コルレオーネ」の「ドン」のような存在で、"Tis himself that's coming" と言うと、そのエライ彼がじきじきに来るというわけです。ところが、"Myself and Tommy went..." といった表現もよくみられます。これは、「オレ様とトミーが…」というのではなく、アイルランド語の影響で普通名詞のように使われることも多いからだそうです。

 どっこい生きてる古英語
スコットランド英語などでもみられる you の意味の古語 ye はもちろん、その複数形の yous、また it is を省略した tis、「学校などをさぼる」という意味の mitchthing を意味する yoke など、シェイクスピアとも会話ができそうな古い英語の単語や表現もいっぱい。アルカイックな雰囲気が漂っています。