経済力にもカゲリが見えてきたニッポン。そんな日本が国際社会をリードするには堂々と意見を主張できる英語力。軽いノリの日常会話ではなく、系統立てて意見を述べるには、そのベースとなる文章力が必要です。ここでは IfWhether の違いについて考えてみましょう。



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Last update June 30, 2019 (Originally posted September 17, 2009)

If vs Whether―その違いとは? (2)

つまり、「~かどうか」というときの IfWhether、これは、厳密には同じではないんですね。もっとも、カジュアルな話し言葉では If が使われることも多いようですが、きちんと正式にスピーチをしたり、原稿を書いたりというときは、やはり区別したほうがよさそうですよ。とくに取扱説明書などの技術的な文書では、意味合いが違ってくることがありますから、注意が必要ですね。

では、まず、その違いをざっとまとめてみましょう。

-- If Whether
品詞 接続詞 接続詞
意味  もし~ならば
 (たとえ)~であるとしても
 ~かどうか
 ~だったらいいのに!(感嘆文)
 ~かどうか
 ~であるか、あるいは~であるか
用法  仮定を表現する
 条件を提示する
 漠然と選択肢を提示する
 肯定否定の二者択一の選択肢を提示する
 2つ以上の選択肢を提示する
例文 (1) If I were you, I wouldn't go there.
(2) I'll go with you if you let me drive the car.
(1) We don't know yet whether she would join us (or not).
(2) The answer is whether one, two, three, or five.

いかがでしょうか。IfWhether を比較してみると、If が「条件」を提示するのに対して、Whether は「選択肢」を提示するという大きな違いがありますね。ですから、書き言葉などで、厳密に表現する場合は、「もし~ならば」というときは If、「~かどうか」というときは Whether というのがより適切な使い方だと言えるでしょう。そういう意味では、初心者のころの覚え方でよかったんだなんてことになるかもしれませんが、どうも、初心者のころは「絶対にこうだ」と覚えこんでしまう傾向もありますからねえ。まあ、その素直さが良いところでもあるんですが…。ところが、事実、If を使っている事例もあるわけですから、そんな例が出てくると「わからない」と悩んでしまうことになりますね。つまり、いろんな経験をしながら、なんと言いますか、「雨降って地固まる」というわけなんですよ。

というわけで、上の表の If の欄にもグレーの文字で「~かどうか」という意味をいちおう掲げていますが、これは、まあ、こういう使われ方もありますよ、ということで英英辞書にも紹介されているからなんです。つまり、ネイティブさんも If を使って表現しているという事実があるということに他ならないわけです。しかし、厳密には、「もし~」というときは If、「~かどうか」というときは Whether というほうが良い使い方だということですね。これはですね、あくまでも「そのほうが良い」ということで、If を使ったら「絶対に間違いだ」というふうに断言するものではないんですよ。





じゃあ、なぜ、「~かどうか」というときは If を使わないほうがいいのか、ということを考えてみましょう。たとえば、こういう例文があるとします。

 Let me know if he is coming.

さて、この文章の意味はどうなりますかね?「~どうか」という意味をあてはめて、

①彼が来るかどうか知らせてください

と解釈しても「正解」ですね。しかし… ちょっと待ってくださいよ~。

もし彼が来るなら知らせてください

という解釈もできますね。

つまり、「来るのかどうかを知らせて欲しい」=「来る場合でも来ない場合でもその旨を知らせて欲しい」というのに対して、「来るんだったら知らせて欲しい」=「来ないんだったら知らせなくてもいい」という暗黙の部分が大きく違ってきますね。したがって、「知らせるか」、「知らせないか」という行動の内容が全く異なってくるわけなんです。

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