アクセントのある音節
音節とは、1つの発音のユニット(単位)を言います。ほとんどルールらしいものもなく、ひとつひとつ辞書で確認しなければならない英語と違って、スペイン語のアクセントにはある一定の規則があります。
それは、おおざっぱに言うと、単語の最後の音が
「母音または s か n」で終わっているかいないかというのがポイントです。大きく分けて、「母音または
s か
n」で終わっていれば、下の「1.」のルールになり、それ以外の音で終わっていれば「2.」のルール、例外が「3.」となります。
1.
母音、または s あるいは n で終わる単語
-->最後から2番目の音節にアクセント
pa-ta-ta (ジャガイモ)
dic-cio-na-rio (辞書)
lu-nes (月曜日)
or-den (秩序)
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2.
s、n 以外の子音で終わる単語
-->最後の音節にアクセント
a-ni-mal (動物)
ca-mi-nar (歩く)
ca-paz (能力がある)
re-loj (時計)
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3.
アクセントのついた単語
-->アクセントのついた音節にアクセント
Ja-pón (日本)
ca-fé (コーヒー)
lá-piz (鉛筆)
na-ción (国家)
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アクセント記号の調整
英語に比べるとシンプルなスペイン語のアクセントですが、1つだけめんどうな点があります。それは、性数の変化によって、もともとの単語にはないアクセント記号をつけたり、逆に、外したりしなければならないということです。
つまり、その単語の持つアクセントの位置は基本的に変わりませんが、性数によって、単語の語尾が変化してしまうため、アクセントの位置をきちんと表すためにアクセント記号をつける・外すことが必要になるのです。
たとえば、
joven(若い)という単語を見てみましょう。
単語 |
アクセントの位置 |
男性・女性形単数 |
男性・女性形複数 |
jo-ven |
最後から2番目の音節 |
変化なし |
jó-ve-nes |
この単語はもともと「
jo-」の部分にアクセントがあるわけですが、それが複数形になると語尾に「
-es」について
jovenes となります。このままでは、上のルール「1.」からアクセントは最後から2番目、つまり「
-ven-」の位置にあることになってしまいます。単語のアクセントは基本的に一貫して変わりませんので、「
jo-」のアクセントの位置を維持するために、アクセント記号をつける必要がでてくるわけです。
では、逆に、アクセント記号を外す場合を見てみましょう。
japonés (日本人)という単語があります。
単語 |
アクセントの位置 |
男性形単数 |
男性形複数 |
女性形単数 |
女性形複数 |
ja-po-nés
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アクセント記号の音節 |
変化なし |
ja-po-ne-ses |
ja-po-ne-sa |
ja-po-ne-sas |
もともとアクセント記号がついているのは、上のルールの「1.」、「2.」に当てはまらないからついているわけですが、性数の変化によって、ルール「1.」の条件に当てはまるようになります。よって、アクセント記号は不要になるため、これを外すというわけです。
アクセントの位置が変わる場合
以上、単語のアクセントの位置は基本的には変わらないと述べましたが、まれに例外があります。それは、単数から複数になったときに、アクセントの位置が移動してしまうという場合です。
結局、例外のないルールはないわけですが、これは、スペイン語では、長い単語のアクセントがあまり前に来るのを嫌うという特徴があるからです。確かに、長い単語の発音では、アクセントが前に来てしまうと後の音にメリハリなく、発音しにくくなってきます。よって、スペイン語では、
後ろから3番目より前にある音節にはアクセントが置かれない
-->アクセントを後ろにずらす傾向がある
単数 |
アクセントの位置 |
複数 |
ca-rác-ter |
アクセント記号の音節 |
ca-racte-res |
ré-gi-men |
アクセント記号の音節 |
re-gí-me-nes |
アクセントをずらした場合、その音節の位置が上のルールの「1.」、「2.」に当てはまる場合は、アクセント記号はつきません(外します)が、ルールに当てはまらない場合は、アクセント記号をつけて表記します。