広間 このサイトの名前でも使われていますが、日本語で「サラ」と言えばまず「皿」を連想するかもしれません。で、「さらでスペイン語」なんて言うと、皿回しでもしながら楽しくスペイン語――というのではなく、「広間、応接室」を意味する単語。ちなみに、sala de espera (サラ・デ・エスペーラ)と言うと、esperar 「待つ」部屋ということで、「待合室」。また、これが「大きな部屋」、つまり「広間」ということになると、salón(サロン)となり、日本語でも「○○サロン」などとよく使われますね。ただ、行ってみたらなんだか小さくて狭い部屋だったというのもよくある話。 家 「さ、みなさん、どうぞお入りください」と言われて、でも「カサ(傘)には全員入れないよ。それに、雨も降ってないし…」なんてことで、スペイン語では「家」。てなことで、アメリカの大統領が住んでいるのは「カサブランカ」。え?かの名優ハンフリー・ボガードとイングリッド・バーグマンの悲しい愛の物語の場面となった… という前に、「ブランカ」は「白い」 (blanca) を意味する形容詞(女性形)で、「白い家」、つまり「ホワイトハウス」 (White House) というわけです。じゃあ、白の反対の黒い家は?というと、casa negra(カサ・ネグラ)となり、なんとなく、怖いモノが「ねぐら」にしてそうな…。 雌(め)牛 「も~、わたしって、なんて、バカな牛…」ということで、牛は牛でも雌牛のこと。もちろん、雌牛が「馬鹿」だということではありません。英語で言えば cow ですね。じゃあ、ほんとの「愚かな」という意味の「バカ」はというと、tonto (トント)。ただし、これは男性形。ここら辺がちょっと英語などと異なりややこしいのですが、スペイン語の単語には男性形と女性形があります。雌牛は女性形の単語なので、「バカな雌牛」というときは tonta と最後の「o」が「a」になり、普通、形容詞は名詞の後に来ますので vaca tonta となるわけです。 雄(お)牛 「へい、極上のトロいっちょう!」など寿司ねたの話ではなく、雌牛が出たら次は雄牛もついでに覚えましょう。英語で言えば ox 。ちなみに、「去勢された雄牛」は buey で、ラテンの血が騒ぐ「闘牛」に出るのは、もちろん toro で、buey や vaca では、ちょっとさまになりませんね。牛にとってもそうですが、闘牛士にしてもまさに命がけの競技で、運悪く命を落とすこともあります。わざわざ牛を興奮させて危ないことをやるのもどうかと言う考え方もあるかとは思いますが、そこは、それぞれの文化、いろんな考え方もあるということで。 ベッド 日本では床の上にふとんを敷いて寝ます―というのは、やはり、西洋の人たちにとっては異様なようです。じゃ、西洋ではみなさん、何の上で眠るんですか?―と言えば、「カマ」の上に寝ます。え?「鎌」ですか?そりゃ、痛いでしょう、体が切れたりしませんか?だから、その「鎌」じゃありません。じゃ、「釜」ですか、それとも「窯」?それも熱いでしょう。「だから、違いますやん」「わかってますよ、ちょっとカマかけてみた(?)だけですやん」なんてことで、しつこくなりましたが、スペイン語のカマ(cama)は「ベッド」のことです。 船 「ナベ」に乗って海を渡って来ました―というと、へえ、よほど大きなナベなのか、それとも、一寸法師の話なのか、確かに「お碗の船」よりは大きいかも。で、冬はやっぱり「ナベ料理」です―なんていうと、え?そんなもの食べるんですか?いえ、ですから、ナベの中に食材を入れて… 大量の食材が要りますね(?)。それでいて、彼女の愛称は「ナベちゃん」です、なんていうと、へえ、じゃ、サザエさんとこのお母さんと同じ名前ですやん―なんてことで、「船」。そういえば、大阪は梅田あたりに「ナビオ」とかいう建物がありますが、スペイン語で navío (ナビーオ)というと、船は船でも大型の船。 にんにく 「バカ」が出たらやはり「アホ」も出さなければ関西の人が怒ります。関東で「バカね」という軽いからかいは、関西では「アホか」となり、関西で「バカ」と言われたら、ちょっと傷つきます。今日の夕方は、待ちに待った初めてのデートだというときに、お昼ご飯にギョーザなんか食べちゃって、「お前はアホか!」なんてことで、スペイン語では「にんにく」の意味。ちょっと臭うけど、やっぱり美味しいにんにくを使った料理。中華やコリアン料理でも欠かせませんが、イタリア料理やスペイン料理でもよく使われる食材。「ホ」の発音は、あたかも引っかかった魚の小骨を取るように喉の奥から「ホッ!」と強い音になります。 少ない とある菓子メーカーのキャラ、ペコちゃんに比べて、とんと出番が少ないのがボーイフレンドのポコちゃん。出番が「少ない」からポコちゃんというわけではありませんが、スペイン語では「少ない」という意味の単語。英語で言えば little の意味で、a little というときは un poco(ウンポコ)。なんかちょっと怪しい響きだな~などと思われるかもしれませんが、男の子ということもあって(?)、「ポコ」は男性形。じゃ、女性形はというと、語尾の「o」が「a」に変えて「ポカ」(poca)。製造業では「ポカよけ」なんて用語もありますが、「また、ペコちゃんたらポカやって…」というのではなく、なんともコミカルで可愛い響きの言葉。 洟(はな) 学生時代に男子の憧れの的だった女の子「モコ」ちゃん。なるほど、日本語の響きでは可愛いのですが、スペイン語ではどういう意味?というと「はな」。「え、花?さすが美しい意味。彼女にピッタリですね」というのではなく、「鼻水」という意味の「はな」。そういえば昔、「モコ○ーワ」とかいう軟膏がありましたが、スペイン語圏の人に使うときはちょっと注意。「塗ってみます?モコ○ーワ」「いや、いいです」「ま、そう言わずに、塗ったげますよ、ほら、このネバネバがね…」「いいえ!だから、結構ですって…」「う~ん、何でだろ~?」なんてことになってしまうかも。やはり、他の国に輸出するときは要注意(?)。 たくさん 「こんなにたくさん、そんなムチャな…」なんて脈絡のわからない発言ですが、mucha は英語で言えば much 「たくさん」の女性形。では、男性形はというと mucho。そうそう、「カラムーチョ」というお菓子が発売されたときには感動したのを覚えています。「こんなに辛くてインカ帝国」だの、「アミーゴの唇熱しキッスオブファイアー」、はたまた「ソンブレロも飛び交うこの辛さ」といった初代菓子袋の裏に書かれたノリのいい文句をサカナに、「ムチャ辛い」が「ムチャ美味しい」刺激を楽しんだものです。そう、関西では「ムチャ」は「とても、すごく」という意味。やっぱり関西はラテン系(?)。 この続きはこちらで… |