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翻訳に基づいた「通弁」クリエイティブ・ライティング

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AI時代に思うこと

2025年11月23日

世の中すっかりAIモードになってきましたね。

「猫も杓子もChatGPT」というと言い過ぎかもしれませんが、まあ、ネコや杓子がChatGPTを使えるかどうかは別にして、「私のことをいちばんわかってくれるのはChatGPTだけ」(そりゃそうですね。あなたの好みを学習するのがChatGPTなので)とか、なかにはAIと結婚してしまう人までいて、人類の未来が思いやられるような気もします。

人類はそのうちAIに置き換わってしまうのだろうな、などとSFめいたことも考えてしまう今日この頃ですが、あながち間違っているとも言えません。それをここで憂えてもしかたないですし、私個人がどうにかできることでもないので、「ぼやき」はこの辺にしておきますが、しかし、何をかくそう、私自身もAIはしょっちゅう使っています。ChatGPTだけでなく、GoogleのAIモードなども、便利なものは使えばいいと思っています。

しかし、AIを使いながらも、ひとつだけ、自分のなかで明確にしていることは

人間であることを忘れない

ということです。

クリエイティブな仕事は人間の仕事

最近では、課題のレポートをChatGPTに書かせてそれをそのまま提出する学生も増えているようで、アメリカなどでも、教師が AI Detector なるものを使って学生のレポートをチェックしていることもあるようです。なかには、そんなものを使うまでもなく、「プロンプト」をつけたままコピペして提出してくる「おバカぶり」も見られるとか。

当の本人たちは気づいていないのでしょうが、それは

人間であることを放棄している

行為に他なりません。自分で調べて自分で書くというのは、すでにそれ自身が創造的な営みだからです。

そんな怠惰な人間にくらべて、創造的な分野でのAIの活躍ぶりはどうでしょう?調べ物やその結果のまとめだけでなく、翻訳もするし、文章も書くし、イラストや絵だって描きます。AIのほうがよほど人間らしいことをやっているのかもしれません。しかも、そのスピードたるや「一瞬」ですし、イラストなどの仕上がりはうっとりするほど美しかったりします。とくに、最近のGPT-5にいたっては、さらなる進化を遂げて、シェイクスピア風の「ソネット」なんかも作るらしいです。

しかし、ちょっと落ち着いて考えてみたいものです。

ChatGPTをはじめとするAIは、ほんとうに文章を書いたり、絵を描いたり、ものを創ったりしているのでしょうか?

そんなわけないですね。

AIは言うまでもなく Artificial Intelligence(人工知能)なので、「本物」ではなく「人工」なのです。つまり、創作をしているのではなく、その「まね」をしているにすぎません。

もともと、創作をするのは「人間」の仕事であり、そこが、他の動物と人間の違いでもあるわけです。サルが文章を書いたり、犬が絵を描くことはありません。

その人間(人類)の長い歴史のなかで営んできた「創る」という仕事を分析し、学び、それを模倣しているのがAIですね。つまり

AIには模倣はできても創作はできない

わけです。

AIのアウトプットするものがどんなに素晴らしいものになったとしても、どんなに人間の創るものに近づいたとしても、あるいは、それを凌駕するものになったとしても、AIのやっていることは、依然として、創作ではなく模倣にすぎません。どこまでいっても、「偽り」であり「本物」ではありません。あくまでも、「創る」のは人間なのです。

もちろん、人間の創作物であっても、知らず知らずのうちに、必ず、既存の何かの影響を受けているわけですから、まったく模倣がないとは言えないでしょう。では、AIとどこが違うのか?と言われると

AIは何かを創ろうとしてアウトプットしているのではない
しかし、人間は創ろうとして創っている


ということが言えます。

そこに、「意志」や「意識」があるかということにもなりますが、「創作」とは、考え、悩み、ときには「生みの苦しみ」さえともない、その結果、生まれるものです。このプロセスがあるからこそ、「創作」といえるのではないかとも考えています。

AIはクリエイターにはなれないのか?

では、「AIには創作することはないのか(できないのか)?」という問いについてはどうでしょう?

これに対しては、「ないとは言えない」と言えるかもしれません。そして、それはどういうときかというと

人間がAIのアウトプットを「創作」と認めたとき

言いかえれば、人間が「創作」という人間ならではの営みをAIに奪われたとき(譲り渡したとき)ということです。

AIによりアウトプットされたものが、技術的に高度なレベルのものになったとき、人間はそれをどうとらえるかですね。

「創作」というものをどう位置づけるか、再定義するのかということにもなります。もし、技術的、技巧的に「完全」なものを「より優れた創作物」と定義するのであれば、残念ながら、人間の敗北は明らかです。

いま、「ChatGPTってすごい!」と感動しているヒマがあったら、人間として、そこら辺をもう少し真剣に考えてもいいですね。人間が「すごい」と感動している間に、AIはどんどん進化していくはずです。

最初は便利な「ツール」だったAIが、いつの間にか、「クリエイター」という主人公になり、人間もそれを認めざるを得なくなったとき、AIは確かに、「創作している」ということになります。

もうひとつ、AIが創作するようになったと言えるのは

AIが人間のように意識をもつようになり「創ろう」という意志によって創作したとき

だと言えるでしょう。

SFのおなじみのテーマですね。

いずれにしろ、AIが創作するようになったときには、人間は間違いなく「主役」の場を追われ、AIが人類に取って代わる日も遠くないのかもしれません

そうならないためには、「人間とは何か?」を掘りさげ問い続けることです。だからこそ

人間であることを忘れてはいけない

と思うのです。

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