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Last update April 24, 2020

英単語を使いこなすための戦略 (3)

戦略 3. 例文で「人材の実績」を知る

単語の「人となり」をイメージ的につかんだところで、次の段階は、例文を通して実際の使われ方を知ることです。これは、人間でも同じことが言えますが、1つには、紹介されたプロフィール(説明文)が実際に事実かということを検証する必要があるからです。経歴書には素晴らしいことが書いてあるのに、実際に雇ってみると全然使えない人材だったとか、評判はぱっとしなかったが、実際使ってみるとなかなか良い働きをするということもあるもので、言葉の意味説明もそうで、辞書には書いてあるけれど実際に使われている例文がほとんどない――つまり、少なくとも現在では、この意味で使われることはあまりなさそうだということがわかります。

2つめには、例文は、人材でいうところの「経験や実績」に当ります。つまり、こういう使われ方をしているという実例に基づいて、すでに構築した自分なりの語のイメージを修正していくわけです。しかし、その例文は1つだけでは意味がありません。意味が1つだけしかない単語は稀で、複数の意味や用法を持っているのが普通です。ですから、できるだけ多くの例文に触れることが大切なのです。そして、それらの例文を参考にして、自分でも例文を作成してみるのです。そうすることで、その用例が自分のもの(単語を使いこなすベース)になり、言語表現の引き出しを増やしていくことができます。

では、そういった多くの例文はどこにあるのかというと、もちろんインターネットを使います。ネットを使うのは調べたいことを調べるときだけで、後は SNS だけ――などという使い方はもったいないですね。また最近ではスマホが主流になってきていますが、やはり調べた内容をコピペしたり編集したりしてまとめるという意味では PC を使ったほうが便利だと思います。画面もワイドなので、左右のフレームに書かれている情報なども視界に入りイメージが広がる場合もあります。

言うまでもなく、インターネットは、英語圏の文献が無数にアップロードされている例文の宝庫です。これを利用しないのは、まさに「宝の持ち腐れ」というものです。では、どうやって例文を集めるかというと、これももちろん、検索機能を使います。検索と言っても、1つの英単語だけをキーワードにして、検索ボタンを押すなんてことは「検索の素人」がやることです。そんなことをしても、その単語を含むサイトのタイトルが表示されるくらいのもので、例文の収集まではほど遠いでしょう。

生きた例文集をタダで集めようというのですから、ある程度「検索の達人」にならなければなりません。使用する検索サイトも、ニュースやコンテンツがギッシリ掲載され、おまけ程度に検索窓がついているようなポータルサイトを利用していたのでは話になりません。イヤでも視界に入ってくる写真やコンテンツのタイトルに気を取られて検索に集中できません。英単語一語だけの検索ではなく、例文のパーツをごっそり検索するのですから、集中して長いキーワードを楽に入力できる「検索専用」のサイトを使います。

そして、検索ボックスに何を入力するか――というと、辞書に紹介されている例文の一部分を少し変えた表現をクォーテーション(" ")マークで囲んで入力します。たとえば、

provide employees with benefits

と書かれていたら、"provide customers with" などと少し変えて入力します。なぜ少し変えるかというと、全く同じ表現を入力すると、検索結果としてその辞書のサイトが表示されるからで、この重複を避けるためです。さらに、高度な検索法として、ワイルドカード「*」を利用することもできます。つまり、"provide * with" と入力すると、provide ~ with という構文の例文が結果として返されます。

こうして、少しずつ組み合わせる単語を変えて検索することで多くの例文が収集できるわけです。例文の表示が途中で切れている場合を除いて、検索結果として返されたサイトをクリックして確認する必要もありません。検索結果表示ページだけで十分例文を収集することができます。

もちろん、検索結果として表示された内容は玉石混淆ですので、見極めが必要です。できるだけ英語圏の信頼できるサイトのものを選ぶようにしましょう。英語圏かどうかはドメインの最後の部分である程度わかります(下記のサイトを参照)。また、信頼できるサイトとしては、企業や公式サイト、個人のものでもきちんとしたサイトのものを使用します。当然ですが、世界中のサイトが紹介されますので、クリックしたときのウィルスやスパイウェア対策は個人の責任においてきちんと行ってください。

https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Internet_top-level_domains#Country_code_top-level_domains

ただし、最近の検索エンジンでは、上記のような使い方がだんだんできなくなっています。まあ本来は、検索ワードに関する情報を調べるためのものであり、例文を集めるためのものではないので仕方ないのですが、何度もやっているとロボットと間違われたりすることもあるようです。そういう意味では、いくつかの検索エンジンを試してみるのがいいでしょう。

最後におまけとして、宿題や用語集作りなどで、とにかく速く多くの単語の意味(とりあえず意味がわかればいい)を調べなければならないというときの「一発意味変換方法」をご紹介します。

 1.調べたい単語をすべてコンマや句読点入りでリストアップする
(例:association, business, commission, sanction, complement
 2.無料のオンライン翻訳サイトにアクセスし、1.でまとめたものをごっそりそのまま原文ボックスにコピペする
 3.翻訳ボタンを押して一発翻訳
(上の例に対して、「協会、ビジネス、委任、認可、補足」という翻訳結果が返される)

というわけです。後は、エクセルに貼りつけるなどして編集します。ただし、機械がやることなので、とんでもない間違いも含まれていることがありますので、しっかりチェックしてください。さらに、名詞、動詞、形容詞などが混在していると、文章として訳されたりしますので、品詞を分けるなどの工夫が必要です。また、単語レベルでの意味を返すようにするには、コンマや句読点などの切り分け記号を単語間に入れるのを忘れないようにしてください。