Last update March 25, 2022
ATAMA005
dis-
|
今回の「接頭辞」は「dis-」。
意味
①~ではない(否定)。②~の無い、反対の。③~の状態を解除・除外した、奪う。④完全に~した、徹底して~の。
dis- + ~で、「~」の部分を否定したり、反対の内容や状態を表す接頭辞です。では、この接頭辞がつくとすべて「反対」や「否定」といった意味かというと、「完全な、徹底した」という意味も一部ありまぎらわしいのですが、その意味で使われるのは disannul 「無効にする」という単語くらいしかありません。結局は、annul でも意味は変わらないので、「用例として認められない」とする考え方もあるようです。
語源
ラテン語の dis- からフランス語の dis-, des- に発展。意味的には apart, asunder 「離れる、ばらばらになる」。
|
用例
接頭辞 |
続く言葉 |
単語 |
意味 |
dis + |
annul |
disannul |
完全に無効にする。dis は「完全な、徹底した」という意味。anuul は「無効にする」。 |
dis + |
able |
disable |
無力・無能にする。dis は「奪う、除外する」。able はラテン語の habere 「持っている」、habilis 「適した、優れている」から。 |
dis + |
cuss |
discuss |
論じる(←ラテン語 discutere 「分散させる」)。dis は「離れる」、cuss はラテン語の quatere 「振る、揺さぶる」。 |
dis + |
abuse |
disabuse |
迷いを解く、開放する(←フランス語 desabuser 「誤用する」)。dis はフランス語の dis, des。abuse はフランス語の abuser 「惑わせる」。 |
dis + |
aster |
disaster |
災害(←古フランス語 desastre、古イタリア語 disastro)。aster は、ラテン語 astrum、ギリシア語の astron 「星」の意味。 |
dis + |
appoint |
disappoint |
失望させる(←中期フランス語 desappointer 「任命を解除する」)。dis はフランス語の dis, des、appoint はフランス語 appointer 。「オフィスから解任する」、転じて「アポイントに失敗する」。 |
dis+ |
card |
discard |
捨てる。dis は「除外」、card はトランプなどの「カード」で、「カードを捨てる」から。 |
dis + |
cern |
discern |
見抜く、認識する(←ラテン語 discernere 「分離させる」)。dis は「離れて」、cern はラテン語 cernere で「知覚する」の意味。 |
dis + |
ciple |
disciple |
弟子(←ラテン語 discipulus 「生徒」、discipere 「つかむ、分析する」)。dis 「離れて」とラテン語 capere 「取得する」から。 |
dis + |
close |
disclose |
公表する(←ラテン語 disclaudere 「開ける」)。dis は「反対」、close はラテン語 claudere 「閉じる」。 |
dis + |
count |
discount |
値引きする(←フランス語 desconter)。dis は「離れて」、count はフランス語 conter 「数える」。 |
dis + |
course |
discourse |
講義、論文(←ラテン語 discursus 「走り回る→会話、議論」)。dis は「離れる」、course はラテン語 currere 「走る」の意味。 |