Last update March 20, 2022
ここでは、子音
/n/、
/ŋ/ の音をマスターしましょう。
まず、
/n/ の音を見てみましょう。子音の音だけではわかりにくいため、発音サンプルは母音を含んだ音になっています。イラストは目安です。また、この音を発音しているときの口の形は、その前後の母音に影響されます。
(35) /n/ の発音―舌を上の歯ぐきにつけて鼻から息を抜く音
(no)
(Sound source: https://www.excite.co.jp/dictionary/)
/n/ の音は、舌先を上の歯ぐきの裏側につけ空気(息)の流れを止め、鼻から息を抜くことで発音する鼻音です。同じ鼻音である
/m/ の音が、両唇をしっかり閉じて鼻から息を抜くのに対して、これは舌先を歯ぐきの裏に付けて鼻から息を抜きます。
使う器官:歯ぐき、舌。
唇の形:前後の母音の口の形に影響される。
舌の位置:舌先が上の歯ぐきの裏側に触れている。
声帯:有声音なので声帯が振動する。
Let's 発音!
①口の形は自然に少し開けてください。
②舌先を上の歯ぐきの裏側に付けます。
③そのままの状態で声を出しながら、鼻に息を送ります。
注:このとき、「ヌー」などのよけいな音を出さないでください。
④「ぬー」といった自然な音が出ますね。
⑤これが /n/ の発音です。
日本語との違い
日本語の「な行」の音よりも鼻にかかった強い音になります。
次に、
/ŋ/ の音を見てみましょう。子音の音だけではわかりにくいため、発音サンプルは母音を含んだ音になっています。イラストは目安です。また、この音を発音しているときの口の形は、その前後の母音に影響されます。
(36) /ŋ/ の発音―舌を口蓋につけて鼻から息を抜く音
(king)
(Sound source: https://www.excite.co.jp/dictionary/)
/ŋ/ の音は、舌の後ろのほうを口蓋(口の天井)につけて空気(息)の流れをさえぎり、鼻から息を抜くことで出る鼻音です。上の
/n/ の音が、舌先を歯ぐきの裏側に付けて空気の流れをさえぎるのに対して、これは舌の後方を口蓋につけて流れを止めます。また、次の発音に移る段階で舌を口蓋から放すときに小さな「グ」といった音が聞こえます。
使う器官:口蓋、舌。
唇の形:前後の母音の口の形に影響される。
舌の位置:舌の後ろが上の口蓋に触れている。
声帯:有声音なので声帯が振動する。
Let's 発音!
①口の形は自然に少し開けてください。
②舌の後ろのほうを口蓋に付けます。
③そのままの状態で声を出しながら、鼻に息を送ります。
④そして、舌を口蓋から放します。
注:このとき、「んぐ」などのよけいな音を出さないでください。
⑤「ング」といった自然な音が出ますね。
⑥これが /ŋ/ の発音です。
日本語との違い
日本語では、「ヤング(若い)」、「キング(王)」など日本語で表記する場合が多いため、つい「ぐ」を声を出して発音してしまいがちですが、「グ」自体は声にならない音だと理解してください。