日本人の「聴き取り」はトップダウン? (3)ちなみに専門家によるとでも、数人のネイティブについてはどう調達しようか、というのが次の課題ですね。まさか電車に乗っている外国人に片っ端から頼んでまわるわけにもいかないし。そりゃそうですね。相手も迷惑でしょうし、ここは、やはり市販のものがいいでしょう。このコーナーを書くのに、大いに参考にさせていただいた「英語リスニング科学的上達法」(ART人間情報通信研究所)というブルーバックスから出版されている本があります。この本の付録に オーディオファイルがついていますので、よかったら試してみてください(ただし、パソコンの OS との互換性は確認してください)。正解率○%なんて出てきますから、最初はガックリしたりしますが。 以上、音を音として聞き取れるよう訓練していくことの大切さを述べましたが、脈絡で理解しようとすることが間違っているというのではありません。事実、ノン・ネイティブが「ボトムアップ」で聴き取ろうとするのに対して、ネイティブは「トップダウン」で聴き取ろうとするという研究結果もあるようです。 もちろん、これは、ネイティブであれば「音自体」をマスターしているわけで、なおかつ、こういう場合はこういう表現をするだろうという「表現のストック」も当然豊富なわけですから、「トップダウン」がうまく機能するのです。しかし、音自体にも親しんでいない段階で、いきなり「トップダウン」は無理だと言えるでしょう。ネイティブのような「表現のストック」もないわけですから、脈絡で想像しようにも限界があります。 とは言え、音自体が聞き取りにくい場合は、大いに脈絡を効かせて理解しようとせざるを得ないこともあります。要は、脈絡も使いながら、音自体を習得しようと努力することも大切だということなのです。 以下、発音の聞き取り練習ができるサイトをいくつかご紹介しておきます。 最後にこれは、当サイトのコンテンツ「英語の「l」と「r」を聴き分ける」です。アメリカ英語とイギリス英語のネイティブの発音で、「l」と「r」を含むいろんな単語を聴き分ける練習ができます。 |