本格コミュニケーションレベルこのレベルは、仕事などで、文字通り、本格的に英語を使ってコミュニケーションできる段階です。英語での資料作り、打ち合わせ、会議での発表などができます。話の内容も、仕事で言うなら「○○を送りました。見ておいてください」といった単純なレベルではなく、「この方針の狙いはこうであり、その具体策は…」とか、「競合の攻勢を抑えるためにはこういった戦略が…」といった高度で抽象的なものになります。こういった内容のことを的確に表現できて、相手にもソツなく伝えることができる能力が備わっています。また、英語でのニュースやドキュメンタリー番組なども楽しめる段階で、コンセプチュアルな内容の会話もできます。文章を書いても稚拙さがなく、ネイティブチェックも細かい部分だけになってきます。 しかし、まだ「ネイティブ」と比較すると、レベルの差があり、さらなる努力・訓練が必要な段階でもあります。発音が相手に通じないといったこともなく、相手の言っていることも十分理解できるため、コミュニケーションにはなんら支障はありません。しかし、日本で普通に英語教育を受けた人である場合、日本語にはない英語の音には弱い部分があるかもしれません。(逆に、幼い頃英語圏で育ったという人は、音に対する認識度は高いのですが、本人が努力しないため、語彙・表現力などでこの段階にすら至っていない人もいます。) たとえば、きれいに発音された いずれにしろ、この段階は、まだ「英語のうまい日本人」でしかありません。まあ、これでも特に問題はないと思いますが、上には上があるわけで、さらなる向上を狙いたいという人は、自分であれこれ考えて勉強を続けます。少なくとも、安易に「どんな勉強したらいいでしょうか」とは聞かない段階です。 完璧接近レベルこの段階になると、「あなた一体どこの国の人?」と言われるのが最高のほめ言葉ともいうべきレベルで、その人の書いた文章や話す英語を聞いて英語圏の人と間違われるくらいになります。もっとも、どこの国の人?英語のうまい中国人ですか?ということでは、あまり意味はなく、「アメリカ(イギリス、オーストラリア、カナダ)で育ったの?」といった英語圏の人に間違われることが目標です。それも、その堂々とした態度はアメリカ人?などというのではなく、あくまでも「英語」というところで評価してもらえるということです。もっとも、英語圏の人に間違われたからって、「だからどうなんだ?」と言われればそれまでです。それももっともな意見で、きちんとコミュニケーションできれば問題ないのであって、擬似ネイティブなどをめざすよりは、他の言語でもやったほうがマシという考えもなり立ちます。 言語というのはいろいろやるほどおもしろいもので、当たり前ですが、文化によっていろんな違いがあります。タイ語なども聞くところによると、敬語や謙譲語の種類がやたらめったら多いそうです。王様相手に話すとき、王妃相手のとき、王子とか王女とか、全部違うようです。まあ、自分はそんな高貴な方々とお話することもないので問題はないのですが、言語は文化、言語を知ることは文化を知ることで、モノの考え方も広がり、視野も複眼どころか「マルチ・ビュー」になるわけで、それはそれで興味深いものがあります。 |