Last update March 6, 2020

「さっぱり上達しない」という人のために (1)



「上達しない」の実体は?

「学習しても上達しない、効果がない」と思う気持ちはよくわかるのですが、果たしてそんなことがあるのでしょうか?少しでも勉強したらその分だけ何かを覚えているはずですよね。単語を1つ覚えればその分だけ、覚える前にくらべて小さな進歩をしているはずなのです。

もちろん、そんなレベルでは「焼石に水」のようなもので何の役にも立たないと思うかもしれません。では、どの程度であれば「本格的な上達」と言えるのか?ということになります。

さらに言うなら、「あきらかに上達した!」と思えるのはどういうときなのか?ということですね。何をもって「上達」とするのか、そこがあいまいなまま、「上達しない」とか「上達した」とは言えないわけです。「上達していない」と思っていても、実は上達しているかもしれませんし、その逆もしかりですね。

では、なぜこういう現象が起きるかというと、ずばり、「学習の具体的な目標」が立てられていないからなのです。目標が立っていないから、どこに向かって学習していいかがわからないし(のんべんだらりの自己満足な学習になる)、「上達した」という判断もできないわけです。学習後の状態を照らし合わせる「目標」が不在だからできなくて当然ですね。

もう1つ言うなら、「目標」と照らしあわせて判断するための「モニター機能」がないことも問題です。つまり、現在の状態、そして学習後の状態を「見える化」する手段がないということです。状態が見えなければ、「上達した」も「しない」もないわけで、学習に疲れてきたから「もうダメだ、やっても効果ない」と投げ出したくなるような感情的な考え方に流され、とうとう挫折してしまうことにもなりかねません。仕事でも何でもそうですが、感情ではなく冷静な判断をすることが大事なのです。

上達のための3つのポイント

ここで、上達するための(あるいは上達を認識するための)3つのポイントをあげてみると、下記のようになります。



「目標」とは、言いかえれば「現状の問題点」や「課題」を解決するということであり、「目標」が達成されるということは、その問題点や課題が解決されるということです。そして3は、目標が達成されたということを判断するために必要な「上達」や学習の「成果」を確認するしくみ(手段)であり、これがないと目標が達成された(上達した)ということを適切に判断できません。また2は、上達するための手段(ツール)ですが、これを使うことで、課題の解決(=上達)につながるものなければならないということになります。つまり、これらの3つのポイントがきちんと機能することで、はじめて「上達した」と実感できるわけです。

それでは、次のページで詳しくみてみましょう。

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