経済力にもカゲリが見えてきたニッポン。そんな日本が国際社会をリードするには堂々と意見を主張できる英語力。軽いノリの日常会話ではなく、系統立てて意見を述べるには、そのベースとなる文章力が必要です。ここでは「マニュアルのイントロ」について考えてみましょう。



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Last update June 30, 2019 (Originally posted in May, 2002)

マニュアルのイントロはこう書く (1)

では、さっそく、始めてみましょうね。今日は、実は、ミッフィーさんという方からご質問をいただいていますよ。ありがたいことですねえ。こうして、ご質問をいただくことで、私のほうも随分とお勉強になりますものねえ。さっそく、本題に入りましょうか。では、ご質問内容、紹介してみましょう。

オヤジさん、いつもありがとう。私、ミッフィー、英語が好き。
いま、英文マニュアルやってます。クライアントさん、ありがとう。
クライアントさんの商品、買っていただいたお客さま、ありがとう。
マニュアルの最初のページで、お客さまにありがとうを言いたいの。
どんな書き方があるのかな?
教えていただいたら、ミッフィーとってもパッピー。

ミッフィーより


はい、とっても可愛いですね、ミッフィーちゃん。実は私も密かなファンでしてね。筆入れとか、ノートとか、ミッフィーちゃんの絵が入ったものを使ってるんですよ。娘にはよく「パパ、いい加減にしたら!」と言われるんですがね。そんなこと言われたってねえ、こればっかりは「趣味」の世界ですから。シュミだからシュミません、なんてね。ちょっと駄洒落なんか入ってしまいましたね。でもね、なんかこう、「癒し」がありますよね。いや、結構いるんですよ、私の学生時代からの友人にもね、昔からスヌーピーやキティーちゃんが好きな人がいるんですよ。いいじゃないですか、ねえ。皆さんは、どんなキャラクターが好きですか?

もっとも、最近ではね、「ゆるキャラ」とかいうのも流行ってますね。「くももん」とかね、「へこにゃん」、「へなっしー」、ちょっと「きもかわ」路線では古都・野良の「まんとくん」… え?違いますか?なんか訛ってる?… いや、ここのコーナーの登場人物等はいちおう「架空」ですからね。仕方無いですね。

余談はさておき、本題に入りましょうかね。でも、何故ミッフィーちゃんが英文マニュアルをやってるんでしょうねえ。なんか、苦しいですね、無理がありますね、このコーナーの設定も。まあ大事なのは内容なんで、いろいろ御座いますが、大目に見ていただいて、とにかく先に進めましょう。キリが無いですからね、こんなこと言っててもね。

ズバリ、ですね、ミッフィーちゃん、「ありがとう」を言うのはほんとに大切なことですよ。世界の国々にはね、商品を買っても「ありがとう」も言ってくれない国もあるんですよ。いや、そこの国全体がそうだと言うわけではないんですよ、もちろん。中にはそういう人もいるということで、もうだいぶん前のことになりますかね、あるヨーロッパの国でしたけど、まるで「売ってやる」という態度なんですね。チューインガムをお口に入れてましてね、こう、くちゃらくちゃらとやっておられるんですけど、「ほらよ」という感じでお釣を渡されましてね、ありがとうも言わないんですよ。私のほうが「ありがとう」なんて言ったりして、ほんと、逆なんですよ。ですからね、やはり、これは、三波春夫さんもおっしゃってましたでしょう?「お客様は神様です」と。あの心意気が大切なんだと思いますよ。もう亡くなりましたけどね、皆さんは三波春夫さん、知ってますか?私は何を隠そう、好きですよ、♪「チャンチキおけさ」。よかったら皆さん、聴いてみてくださいな。→https://www.youtube.com/watch?v=dPPqmkIOSRk。あ、こりゃいかん、関係なかったですね。





お礼は大事だということと、ここでですね、よろしいですか、ミッフィーちゃん。もう一つ、マニュアルのイントロダクションで言わなければならない大事なことがあるんですよ。それはですね、「商品を使う前に必ずこのマニュアルをちゃんと読んでおいて下さい」ということを言わなければならないんですね。何故かと言いますとね、マニュアル通りに正しく商品を使っていただかないと、商品が故障したり、ちゃんと動作しないといったことになると、企業の責任になるからなんですね。日本以外の国でしたら尚更のことですが、訴訟問題にも発展しちゃうんですよ。だから、きちんと最初のほうに「読んで下さいね」と、書いておかなければならないということなんですね。

ミッフィーちゃんなんかは、「商品を買ってくれたお客さまはみんな良い人。だから、ちゃんとマニュアルを読んでから商品を使ってくれるはず。」と思われるかもしれませんけどね、世の中にはいろんな人がいるんですね。説明書を読むのは当たり前でしょう?と言ってもね、「説明書を読めとか、そんなことどこにも書いてないじゃないの!」とおっしゃる人もいるわけなんですよ。

だいだい、文字を読むというのは、面白いお話が書いてあれば別ですけど、説明書とかいうものは読んでいても面白くないですからね、ジョークが書いてあるわけでもないですから。だから、読んで面白くないものは、できれば読みたくないというのが人情なんですね。つまり、お客さまは説明書は読まないという前提で考えておかなければならん、ということなんです。私も会社で商品のセールス担当をしていたことがありましたが、よく、提案したんですよ。マニュアルの各章の始めにジョークを入れるようにしたらどうですか?とかね。「何を言ってるんだ、オマエは!」ということで、もちろん却下されましたけどね。皆さんは、これ、どう思われますか?

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