se の見分け方
se の用法でも説明しましたが、
se を使った用例には、さまざまな種類があり、その分類もむずかしく、前後の脈絡、意味から判断するしかない場合もあります。
下の図は、se の用例の見分け方の目安を示したものです。本文中のリンクをクリックすると、該当する例文にジャンプします。
まず、文章中に3人称の目的語(直接目的語と間接目的語)があり、かつ、使われている動詞が「与える、言う、送る」などの与格的な意味を持つものであれば、その
se は
「与格の se 」であると判断することができます。
この条件に当てはまらない場合は、動作主=主語であり、主語=目的語(se)、つまり、
se を主語の名詞に置き換えて、「自分自身を/に~する」という意味になれば、
「再帰的表現の se」と言うことができます。さらに、動詞が複数であれば、「お互いに~する」という
「相互表現の se」と考えることができます。
次に、用例のなかでも多いとされる「受身表現」かどうかの確認をします。受身用例を見分けるには、行動主が表現されているかどうかを見ます。行動主が表現されずに、かつ、主語と動詞の数が一致していれば
「受身の se」と見なすことができます。また、再帰的受身では、行動主は表現されないのが普通ですが、なかには
por Maríapor
行動主が表現されていない場合で、主語が明らかに不在と思われる場合、あるいは、動詞の数は3人称単数で、登場する名詞の数と一致していない(名詞は複数、動詞は単数)場合は、
「無人称の se」という判断が可能です。また、「
se + 動詞(3人称単数)+
a (前置詞) + 人間・動物を表す名詞」という文章構造になっている場合も「無人称」と考えることができます。
一方で、使われている動詞が、
arrepentirse など代名動詞としての用法しかない場合は
「強制的代名動詞の se」であると判断することができます。
以上のような条件に該当しない場合は、
自動詞的な意味や強調・関心を表す表現、あるいはニュアンスや意味の異なる「中間態の se」としての用例になります。ここで挙げている分類は、独自のものであり、決まったものではありませんので、分類そのものにはこだわらず、文脈や意味から、文章にふさわしい判断をしてください。