英文広告例 (3)
自動車メーカー英文広告 (1)
ONE AIM
(Source: TOYOTA Advertisement)
ONE AIM
"It's impossible," says Reason.
"It's reckless," says Experience.
"It's painful," says Pride.
"Try!" says Dream.
---- PAGE 2 & 3 ----
ONE AIM
"If winning is everything, then only victory has meaning.
But it's not about winning alone, because even winning can be hollow.
It's about having a dream,
and having the courage to bring it to life.
What's your dream?
さすが、天下の国際企業さんです。最初の4行のコピー、いいですねえ。ロジカル、シンプル、ワンダフル!まさに雷に打たれたような感があります。この4行の短いコピーを見たとき、正直「やられた!」と思いました(そういうオマエは何なんだ?と言われると困りますが…)。そして、その次のPAGE 2 & 3のコピー、後で読み直しても「感動」があります。なんだか偉人の名言のような…。そして最後の「あなたの夢は何ですか?」と聞いて終わるのもいいですね。
いまさらヘタな解説など必要がないでしょう。とはいえ、あまり無責任になってもいけませんので、少しだけ説明を加えると、つまり、大意は「常識で考えると不可能。経験から言っても無謀。プライドもズタズタ… それでもやる!これは夢なんだ!」というわけです。しかし、このコピーの素晴らしさはレトリックにあります。メッセージを We や the company を主語にして表現するようなダサいことはやらず、「常識」や「経験」といった無人称の概念を主体として、語らせている点です。ただ単に「自分たちが考えた」とかいうのではなく、常識や経験といった概念が勝手にこう言ったという表現法によって、いかに自分の内のなかにひしめく葛藤があったかということを生き生きと描写していると思うのです(実際は知りませんけどね)。何千の言葉を尽くすより力強さがあります。
次に後のほうのコピーですが、「勝つことがすべてなら勝利は意味のあることかもしれない。しかし、勝つことだけがすべてじゃない、なぜなら勝っても空しいときがある。大切なのは夢を持つこと。そして、それを実現する勇気を持つことだ。ところで、あなたの夢は何ですか?」という意味ですが、特に弱気になっているなどに読むとぐっと来ますね。また、最後の文章の前に1行空けているところなんかよく考えられています。そうです、空間もメッセージなのです。
蛇足ですが、個人的には dream という単語を連発するのはあまり好きではありません。なんか「白昼夢」みたいで、実現しないものを必死に追いかけている感がして仕方がありません。日本人はハワイも好きですが、「夢」も好きです。日本企業のメッセージには必ず出てくる定番です(海外の企業にもありますが、あくまでも比率)。ただ、この企業の場合、テレビコマーシャルでもおなじみですが、企業のスローガンに dream という言葉が使われていますので、企業のコミュニケーション・コンセプトだと思われます。それとの連動だということでしょう。
申し遅れましたが、この広告は、この不況のご時世に挑むような(?)前ページフルカラー、堂々8ページものの雑誌折り込み広告です。写真も良いです。たぶんレースの際に、ついでにカメラマンに押さえてもらったショットかな、と思ったりしますが。以上、あまりdream を連発するのは子供っぽいなと思いながらも、やはり、決まっている英文広告例でした。
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