Last update April 4, 2021

映画・ドラマの英語表現 No. 9




 Ph.No.161 

Seems odd to be here again.

ここにまた来るなんて、妙な感じだよ。


ドラマ名:Miss Marple『ミス・マープル』

亡くなった継母の兄と言われる人が家に訪ねて来たときに言うセリフで、ここにまた来るなんて… 妙な気分だとか落ち着かないという意味です。ちなみにミス・マープルはかの有名なアガサ・クリスティーの作品で、「この年になると他にドキドキすることもないんでね」とか言いながら、品のいいおばあちゃんがパズルを解くように事件を解決します。この人はボケることはないでしょう。


 Ph.No.162 

You've lost her?

見失ったのか?


ドラマ名:Soldier of Fortune Inc.『S.O.F. ソルジャーオブフォーチュン』

殺し屋と思われる女性を尾行していたら… 「見失ったのか?」ということで、尾行やカメラ、盗聴などをしている相手に逃げられたときなどに使います。追いかけている人を主語にして、相手を「失う」という文章構造になるわけです。もちろん、見失った人が言う場合は I've lost her と言いますね。


 Ph.No.163 

This doesn't work that way.

そういうわけにはいかないわ。

ドラマ名:Soldier of Fortune Inc.『S.O.F. ソルジャーオブフォーチュン』

悪事の共同プロジェクトで相手に条件を出され、殺し屋のおねえさんが「そういうわけには行かない」ときっぱり否定、こちらの条件を飲ませるときに使ったセリフです。直訳すれば「これはそういうふうには機能しない、そういうしくみじゃない」ということで、実にシンプルな言い回しです。


 Ph.No.164 

I'm not sure if I share your optimism.

まったくお気楽なヤツだな。


ドラマ名:Star Trek: Deep Space Nine「スタートレック:ディープスペースナイン」

「大丈夫、なんとかなるさ」などと楽観的な相手に対して「その楽観主義には賛成できない」、つまり「まったくお気楽なヤツだな」というわけです。バリエーションとして、I wish I could share your optimism 「そうだといいけどね(そんなわけない)」という表現も他のドラマでよく登場します。


 Ph.No.165 

It's going to be a smash!

これは大ウケしますよ。


ドラマ名:Agatha Christie's Poirot『名探偵ポワロ』

ここの smash は「破壊」や「大失敗」という意味ではなく、smash hit 「大当たり、大成功」のことで「大ヒットになるだろう」、「大成功を収めるだろう」という意味。「ポワロ」役は他の俳優も演じていますが、やはりデビッド・スーシェ (David Suchet) さんのポワロが最高ですね。ちなみにスーシェさんは、他の俳優が演じた「ポワロ」で Chief Inspector Japp の役を務めたこともあります。


 Ph.No.166 

They are falling into one piece.

だんだんつながってきたぞ。

ドラマ名:Agatha Christie's Poirot『名探偵ポワロ』

捜査を進めていくうちに、いろんな要素がつながって1つになってきた(全体像が見えてきた)ということです。逆に、謎の部分があって全体が見えないような場合に、パズルのピースにたとえて missing pieces があるという言い方がミステリードラマなどではよく登場します。


 Ph.No.167 

Let women have the upper hands.

女はおだてるに限る。


ドラマ名:Star Trek: Deep Space Nine「スタートレック:ディープスペースナイン」

the upper hands とは「優位・優勢であること」を表わし、get (have) the upper hands で「優位に立つ」といった意味になります。これは、男尊女卑の文化を持つフェレンギ人 (Ferengi) のセリフで、「女なんておだてとけばいいのさ」といった感じになるでしょう。


 Ph.No.168 

Someone is in great hurry.

誰かさん、大忙しね。


ドラマ名:Star Trek: Deep Space Nine「スタートレック:ディープスペースナイン」

someone の使い方がポイントで、他人事のように面白半分に観察しながら「誰かさん、忙しそうね」とか「若干一名、バタバタしてるのがいるよ」といったところでしょう。someone は日本語の「誰かさん」というノリで使うことができます。


 Ph.No.169 

I'll do my best. -- I'll expect nothing less.

ベストを尽くすよ。――当然でしょ。


ドラマ名:Star Trek: Deep Space Nine「スタートレック:ディープスペースナイン」

「精一杯やります」というセリフに対して「それ以下は期待しない」、つまり「そんなのあたり前じゃないか」といった皮肉を込めた言い方。これもよく出てきます。このドラマでは、思わず「くすっ」としてしまうシニカルな言い回しが楽しめます。


 Ph.No.170 

If you can't carry out my order, I'll find someone who can.

あなたにできなきゃできる人を探すだけ。


ドラマ名:Star Trek: Deep Space Nine「スタートレック:ディープスペースナイン」

文句を言ったり難色を示す部下に対して、「もしあなたができないなら、できる誰かを見つける(採用する)」という上司のセリフの定型パターン。「人材は他にもたくさんいる、イヤならいいんだよ」ということですが、こう言われるとおとなしくやるよりは他にないようですね。他のドラマでも類似パターンがよく登場します。


 Ph.No.171 

I don't need your charity.

同情は無用だ。

ドラマ名:Star Trek: Deep Space Nine「スタートレック:ディープスペースナイン」

状況によっていろんな訳し方があります。文字どおり「オマエの施しは受けねえ!」といった意味から、ゲームなどでは、「手加減してくれるな」とか「わざと勝たせようなんてするな」といった意味でもよく使われます。窮地に立たされた者にもプライドがあるというわけで、日本人は外国人にはやさしいのか、つい親切にしすぎることもあるので気をつけたいものです。


 Ph.No.172 

Duty calls.

仕事だ。

ドラマ名:Star Trek: Deep Space Nine「スタートレック:ディープスペースナイン」

これもよく使われる決まり文句です。仕事以外の(たいていは楽しい)ことをやっている途中に、仕事に戻らなければならないときなどや、逆に、あまり続けたくない会話などをしているときなどに、ちらっとスマホのメールなどをチェックして「お、仕事だ(戻らなきゃ)」と言う場合などに使えます。


 Ph.No.173 

Why did you keep it from me?

なぜ私に言わなかったの?

ドラマ名:Miss Marple『ミス・マープル』

Why didn't you tell me? と言うと、単に言わなかっただけ(忘れただけかもしれないし、めんどうだったのかもしれません)ですが、keep something from someone と言うことで「あえて言わずに黙っておいた」というニュアンスが出てきます。


 Ph.No.174 

I had my reasons.

私には私なりの理由があった。


ドラマ名:Miss Marple『ミス・マープル』

これもシンプルですが、シンプルすぎてかえって新鮮に感じる表現です。しかし考えてみれば、「理由」などというものは、万人に共通だとはかぎらないので、たとえそれが、すべての人に理解されなくても、その人なりの理由があるわけで、そんな理由を述べるときに使います。


 Ph.No.175 

It's an ancient story.

大昔の話さ。

ドラマ名:Bones『ボーンズ』

たかだか10年か20年ほど前の話だと思いますが、「大昔」の話だというわけで、これもよく見かける表現です。持ち出されたくない過去の話などが出たときにさり気なく使うことができます。


 Ph.No.176 

More than you know.

キミが思っている以上にね。


ドラマ名:Bones『ボーンズ』

Do you love me? と聞かれて答えるセリフがこれです。単純に Yes, I love you. と答えて終わりというのではあまりにも芸がなく、情熱も感じられませんね。とは言え、こう言ったからといって情熱が感じられるとはかぎりません。


 Ph.No.177 

Is that a yes?

つまり「イエス」ってことだね。

ドラマ名:Bones『ボーンズ』

相手の発言や間接的な答えを受けて、「じゃあオーケーということでいいね」と確認するときのシンプルな表現。So... you mean you can join our party. などと言うよりも歯切れがいいですね。yes を「肯定的な返事」という意味で数えられる名詞として使っています。もちろん、「否定の内容」であれば、Is that a no? というわけです。


 Ph.No.178 

This is so low.

あまりにも汚いよ。

ドラマ名:Star Trek: Deep Space Nine「スタートレック:ディープスペースナイン」

「汚い」と言っても、不潔だということではなく、やり方などが「卑劣」という意味です。low は物理的に高さが「低い」という意味だけでなく、品位や人間性、道徳的なレベルが低いという意味でも使います。


 Ph.No.179 

Why don't we take a walk?

ちょっと歩こう。

ドラマ名:Star Trek: Deep Space Nine「スタートレック:ディープスペースナイン」

実際に「散歩をしよう」というお誘いよりも、いっしょに歩きながら話をするということで、それもとりとめのないおしゃべりではなく、仕事上の大事なことなどを(人に聞かれずに)一対一で話をしようというときに使います。もちろん、じっくりと話をするのではなく、手身近に報告をしたりする場合にかぎられます。


 Ph.No.180 

I wish I could say the same.

こっちも同じだと言えたらいいがね。

ドラマ名:Star Trek: Deep Space Nine「スタートレック:ディープスペースナイン」

これは、嫌いな相手に I'm so happy to see you! (「会えてうれしいよ!」)と言われたときの返答です。現実の世界で使うと非常に嫌味がありますが、そこはドラマの世界。嫌いな者同士がシニカルなセリフをぶつけ合いながらも、いつしか「仲間意識」が芽生えてきたりして、ここら辺がアメリカのドラマのほほえましいところですね。








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