Last update March 21, 2022

 Level 1  /i/、/ɪ/ の発音 |  /b/、/p/ の発音 |  単語の発音練習 |


ここでは、母音 /i/、/ɪ/ の音をマスターしましょう。


まず、母音である /i/ の音を見てみましょう。イラストの口の形はだいたいの目安です。発音のサンプルもつけていますので参考にしてください。

(1) /i/ の発音―やや大げさな「イー」の音

(Sound source: https://en.wikipedia.org/wiki/Help:IPA)

IPA ジョーンズ式 器官 有声/無声 唇の丸まり 口の大きさ
/i/ /i/ 唇(くちびる) 舌(した) 有声音(ゆうせいおん) 非円唇母音(ひえんしんぼいん) 狭母音(せまぼいん) 前舌母音(ぜんぜつぼいん)

母音についての説明のページでも書きましたが、母音の音は、すべて唇の形、口の開け具合と舌の位置で決まります。まず、唇の形ですが、上の表を見るとわかるように、丸くなっていません。また、口の大きさも平たいですね。舌の位置は口の前のほうに来ます。まとめてみると…

 使う器官:唇と舌。歯は使いません。
 唇の形:丸くならず平たくなっている。口の形も平たい。
 舌の位置:自然に発音すると、口の前のほうに舌先が来る。
 声帯:母音なので声帯が振動する。

実際の英語の発音では、/i:/ という伸ばす音として使われる例がほとんどです。こういった概要をつかんだところで、さっそく発音してみましょう。

 Let's 発音! 
①日本語の「イ」の口をしてください。
②そこから子供が意地悪で「イー」と言うときのように口の両端を広げます。
③そのまま声を出します。
④そのとき、自然に舌先は口の前方に来ていますか?→来ていなければ、どこか無理をした発音しています。リラックスして、自然に舌先が口の前に来るようにして発音してみましょう。
⑤発音しながら喉に手を当ててください。振動していればOKです。→振動していなければ、声が出ていません。声を出してください。
⑥これで、この発音はでき上がりです。

 日本語との違い 
日本語の「イ」とよく似ていますが、日本語よりは口が横いっぱいに開きます。にこっとスマイルするような感じですね。日本語の「イー」よりも大きく口を横に広げて発音するといいでしょう。






次に、日本語では同じ「イ」でも、英語では違う /ɪ/ の音を発音してみましょう。発音のサンプルもつけていますので参考にしてください。イラストの口の形はだいたいの目安です。

(2) /ɪ/ の発音―「エ」の音をおびた「イ」の音

(Sound source: https://en.wikipedia.org/wiki/Help:IPA)

IPA ジョーンズ式 器官 有声/無声 唇の丸まり 口の大きさ
/ɪ/ /i/ 唇(くちびる) 舌(した) 有声音(ゆうせいおん) 非円唇母音(ひえんしんぼいん) 狭母音(せまぼいん) 半狭母音(はんせまぼいん) 前舌母音(ぜんぜつぼいん) 中舌母音(ちゅうぜつぼいん)
 :だいたい両者の中間くらいの位置を表します。

上の /i/ と同様に唇は丸くなっていません。しかし、口の開け方が /i/ と比べると若干大きくなります。また、舌の位置も /i/ よりは若干後ろになります。これが /i/ の発音との違いです。

 使う器官:唇と舌。歯は使いません。
 唇の形:丸くならず平たくなっているが、上の /i/ よりも少し口が開いている。
 舌の位置:上の /i/ よりも少し後ろのほうに舌先が来る。
 声帯:母音なので声帯が振動する。

 Let's 発音! 
①まず、上の /i/ の発音をしてください。
②その口から、若干口を大きく開けます。
③そして、舌を若干後ろに引きます。
④そのまま「イ」と言ってみてください。
⑤日本語で言えば、「イ」と「エ」の中間のような音が出ていますか?→むずかしければ、下の「裏ワザ」を試してみてください。
⑥発音しながら喉に手を当ててください。振動していればOKです。→振動していなければ、声が出ていません。声を出してください。
⑦これで、この発音はでき上がりです。

 裏ワザ 
①まず、日本語の「エ」の音を出します。
②そのままの状態で日本語の「イ」を発音します。

 日本語との違い 
日本語の「イ」よりも口の開きが大きく、少し「エ」に近くなります。特にアクセントのない場合は「エ」に近くなります。