Last update May 29, 2021

単語たちの共存 (4)

英語本来の語彙との共存 (2)

動物関係の語彙での使い分け

動物関連の語彙において、生き物としての動物の名前には英語本来、と食材としての動物の肉の名前にはフランス借入語を使用するという使い分けがされるようになりました。

意味 生き物 食材としての肉
ヒツジ/羊肉 sheep mutton
牛/牛肉 cow/ox beef
子牛/子牛肉 calf veal
ブタ/豚肉 swine pork
シカ/鹿肉 deer venison

意味の異なる使い分け

英語本来の単語とフランス借入語がそれぞれ違う意味を持ちながら共存している例です。

フランス借入語 英語本来の単語
doom (運命・滅亡) judgement (判定・判決)
hearty (心からの) cordial (誠心誠意の、強烈な)
house (家) mansion (大邸宅)

同義語としての使い分け

意味は変わらないが、フランス借入語のほうがよりあらたまった雰囲気をかもし出し、より洗練されているという印象を与える傾向があります。

フランス借入語 英語本来の単語 意味
maternity motherhood 母性
infant child 子供
amity friendship 友情
battle fight 戦い
liberty freedom 自由
labour work 労働
desire wish 願望
commence start 始める
conceal hide 隠す
divide cleave 分裂させる
close shut 閉じる
demand ask 要求する、尋ねる
chamber room 部屋
forest wood
power might
annual yearly 年次の、例年の
odour smell におい
pardon forgive 許す
aid help 援助

フランス語、ラテン語、英語本来の語彙との共存

さらに、似たような意味を持つ単語で、フランス語、ラテン語からの借入語とともに英語本来の単語が共存している例もあります。

使い分けとしては、一般的に、英語本来の単語が最もカジュアルでインフォーマルな使い方をされ、フランス語借入による単語はそれよりはフォーマルであらたまった印象を与え、ラテン語借入の語彙はいかめしく堅苦しさを感じさせます。

意味 英語本来の単語 フランス借入語 ラテン借入語
王の、王室の kingly royal regal
質問する ask question interrogate
締まった fast firm secure
上がる、登る rise mount ascend
神聖な holy sacred consecrated
時代 time age epoch


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