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Last update November 9, 2018

用語解説

名詞の性 (grammatical gender)

名詞の性とは、世界の約4分の1の言語においてみられる文法的なカテゴリーの1つで、「男性」 (masculine) 、「女性」 (feminine) 、「中性」 (neuter) がある。名詞の性に応じて、形容詞や冠詞なども語尾を変化させる。英語などの言語の祖先であるインド・ヨーロッパ祖語 (Proto-Indo-European) では「動物」と「静物」の2つのカテゴリーがあったが、このうちの「動物」が「男性」と「女性」に分岐して、「静物」が「中性」となり3つの性 (gender) に発展した。ゲルマン祖語 (Proto-German) においても「男性」、「女性」、「中性」がある。

この3つの性をそのまま維持しているのが、スラブ系言語やラテン語、サンスクリット語、ギリシア語、ドイツ語であるが、3つの性のうち「中性」がなくなり「男性」、「女性」の2つの性になった言語も多い。俗ラテン語を母体とするスペイン語、イタリア語などのロマンス言語、ヒンドスタン系言語、ケルト語などもそうである。しかし、スペイン語などでは特殊な用法において一部中性名詞が残っている。

スウェーデン語やデンマーク語のように、男性と女性の区別がなくなり「普通名詞」となったが、「中性名詞」を残している言語もある。英語について言えば、古英語 (Old English) では残っていたが、中英語 (Middle English) では失われ、現代英語では、he, she, it などの代名詞にその名残がみられるだけである。英語の性についての詳しい説明はこんなに違う古英語の文法 (2)を参照。



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