Last update May 29, 2021

ローマ化とラテン語 (2)

ラテン語の特徴(続き)

7つの(case):主格 (nominative)、呼格 (vocative)、属格 (genitive)、与格 (dative)、対格 (accusative)、奪格 (ablative)、処格 (locative) を持ち、格に応じて名詞や形容詞の語尾が変化する
(下記はほんの一例)
名詞 例:rēgīna 「女王」
-- 単数 複数
主格:「~は、~が」(主語を表す名詞形) rēgīna 「女王は(が) rēgīnae 「女王たちは(が)
呼格:「~よ」(呼びかけの対象となる名詞形) rēgīna 「女王 rēgīnae 「女王たちよ
属格:「~の」(所有を表す名詞形) rēgīnae 「女王 rēgīnārum 「女王たちの
与格:「~に、~のために、~にとって」(間接目的を表す名詞形) rēgīnae 「女王 rēgīnīs 「女王たちに
対格:「~を」(直接目的を表す名詞形) rēgīnam 「女王 rēgīnās 「女王たちを
奪格:「~によって、~をもって、~において、~から」(手段、道具、時間や空間、分離、起点、理由、原因を表す名詞形) rēgī 「女王から rēgīnīs 「女王たちから
処格:「~に、~で」(場所を表す名詞形) 場所を表す固有名詞のみに使用。例:Romae 「ローマ

発音は、基本的にローマ字読み
アクセントは、日本語と同様に「高低アクセント」であり、英語と異なりアクセントの位置にはルールがある
文字は、英語のアルファベットから J、U、W を除いた23文字で、固有名詞(とその派生語)のみ大文字で書き始める。文頭は必ずしも大文字にする必要はない。

ラテン語の名残り

ローマ支配によるラテン語の名残りは、イギリスの地名などに見ることができます。

-chester (例:Manchester:ラテン語の「砦」 castra から
street:「舗装された道」  straet

しかし、それ以外に、アングロ・サクソン人が大陸にてローマ人と接触した際に借用し、そのまま英語に受け継がれた言葉もあります。

ラテン語源の単語

単語 意味 由来
mile マイル ラテン語の mille 「1000」の複数形 mila
wall ラテン語の vallum 「壁、城壁、杭(くい)の列」。
cat ネコ ラテン語の cattus 「ネコ」。
wine ワイン ラテン語の vinum 「ワイン」。
oil オイル、油 ラテン語の oleum 「オイル、オリーブオイル」。
cheese チーズ ラテン語の caseus 「チーズ」。
butter バター ラテン語の būtȳrum 「バター」。
dish ラテン語の discus 「円盤」。
kitchen 台所 ラテン語の coquīnus 「料理の」。
table テーブル ラテン語の tabula 「板」。


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