ローマ化とラテン語 (2)
ラテン語の特徴(続き)
7つの格 (case):主格 (nominative)、呼格 (vocative)、属格 (genitive)、与格 (dative)、対格 (accusative)、奪格 (ablative)、処格 (locative) を持ち、格に応じて名詞や形容詞の語尾が変化する
(下記はほんの一例)
名詞 |
例:rēgīna 「女王」
|
-- |
単数 |
複数 |
主格:「~は、~が」(主語を表す名詞形) |
rēgīna 「女王は(が)」 |
rēgīnae 「女王たちは(が)」 |
呼格:「~よ」(呼びかけの対象となる名詞形) |
rēgīna 「女王よ」 |
rēgīnae 「女王たちよ」 |
属格:「~の」(所有を表す名詞形) |
rēgīnae 「女王の」 |
rēgīnārum 「女王たちの」 |
与格:「~に、~のために、~にとって」(間接目的を表す名詞形) |
rēgīnae 「女王に」 |
rēgīnīs 「女王たちに」 |
対格:「~を」(直接目的を表す名詞形) |
rēgīnam 「女王を」 |
rēgīnās 「女王たちを」 |
奪格:「~によって、~をもって、~において、~から」(手段、道具、時間や空間、分離、起点、理由、原因を表す名詞形) |
rēgīnā 「女王から」 |
rēgīnīs 「女王たちから」 |
処格:「~に、~で」(場所を表す名詞形) |
場所を表す固有名詞のみに使用。例:Romae 「ローマで」 |
発音は、基本的にローマ字読み
アクセントは、日本語と同様に「高低アクセント」であり、英語と異なりアクセントの位置にはルールがある
文字は、英語のアルファベットから J、U、W を除いた23文字で、固有名詞(とその派生語)のみ大文字で書き始める。文頭は必ずしも大文字にする必要はない。
ラテン語の名残り
ローマ支配によるラテン語の名残りは、イギリスの地名などに見ることができます。
-chester
(例:Manchester):ラテン語の「砦」 castra から
street:「舗装された道」
straet
しかし、それ以外に、アングロ・サクソン人が大陸にてローマ人と接触した際に借用し、そのまま英語に受け継がれた言葉もあります。
ラテン語源の単語
単語 |
意味 |
由来 |
mile |
マイル |
ラテン語の mille 「1000」の複数形 mila。 |
wall |
壁 |
ラテン語の vallum 「壁、城壁、杭(くい)の列」。 |
cat |
ネコ |
ラテン語の cattus 「ネコ」。 |
wine |
ワイン |
ラテン語の vinum 「ワイン」。 |
oil |
オイル、油 |
ラテン語の oleum 「オイル、オリーブオイル」。 |
cheese |
チーズ |
ラテン語の caseus 「チーズ」。 |
butter |
バター |
ラテン語の būtȳrum 「バター」。 |
dish |
皿 |
ラテン語の discus 「円盤」。 |
kitchen |
台所 |
ラテン語の coquīnus 「料理の」。 |
table |
テーブル |
ラテン語の tabula 「板」。 |
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