征服や侵略を経験しなかった歴史 (1)またまた、こういうことを言っては元も子もないのですが、実は日本人は英語(もしくは外国語)に対して「甘い」のです。と言ってしまうと誤解を与えそうですが、言いかえれば、真剣さが足りない、または、それほどの真剣さを必要としなかったということです。これは何も、あなたやわたし、個人に責任があるのでも何でもありません。日本人として仕方ないのです。前回から「仕方ない、仕方ない」となんだかへたな気休めばかり言っているような気がしますが、英語がしゃべれなくても生活できたし、何にも困らなかったわけです。 江戸時代には鎖国もしましたが、歴史的にも日本語だけで生活して困ったなどということは聞いたことがないですよね?そうです、日本で暮らすには、英語ができなくてもなにも困ることなんてないのです。 ところが、前回にも触れましたが、例えば日本がアメリカでもイギリスでもどこでもいいのですが、征服されたとしましょう。すると、征服民は自分たちの言葉を押し付けようとしますから、日本人はみな英語を覚えなくては生活すらできなくなってしまいます。征服民が寛容さのない民族であった場合、英語を話せない者には罰を与える、なんてことにもなりかねません。 そうするともう必死になって覚えようとします。そこに違いが出てくるのです。植民地時代を経験したアジアの国々の人達が日本人よりはるかに英語が上手いのはそういう背景もあるからだと思うのです。 じゃあ日本も植民地にされたらよかったのに… なんてことは安易に考えないほうがいいですね。自分たちの文化や言語を捨てなければならないということはどんなにつらく苦しいことか、恐らく想像を絶することだろうと思われます。言語というものはそれほど厳しいもの、シビアなものなんじゃないかということです。 |