赤ちゃんは語学の天才? (3)では、大人になった日本人はまず、考えられるのが「脈絡からのトップダウン方式」」です。脈絡から単語を判断することで となれば、やはり、脈絡だけでなく音の本質を理屈でとらえて、それを踏まえたトレーニングを重ねていく必要があるわけです。そういったコンセプトに基づいた教え方やリスニング教材などが出てくるのを期待したいところですね。 ところで、よく一日中部屋のなかで英語の音声をかけっぱなしにしておくと効果があると言われます。また、そんなことをしても効果はないという意見もあるようです。 どんな「効果」を求めるのかということにもなってきますが、個人的には、まったく効果がないとは言えないと思っています。たとえば、海外に2週間ほど滞在してそこの言葉を聞いているうちに、だいたいこんなことを言っているのではないか?と少しわかってくるような気がすることがありますね。 もちろん、「わかってきたような気がする」だけで実際にはわかっていないのかもしれませんが、耳がその外国語の音、リズム、イントネーションなど聴覚的に適応してきているのは確かです。心理的なハードルが低くなってきていると言えるでしょう。では、聴いているだけでその言語が一気に上達するかというと、やはり、それは無理だと思います。意味のわからない単語や表現は覚えないかぎり理解できないのは当然です。 とはいえ、赤ちゃんのように、先入観を忘れて、「無垢」で「白紙」の状態に戻った気持ちで、その言語の音に飛び込み、浸かることで、その言語の感性や感覚を磨くことができるのではないかと思います。 (参考:講談社『音のなんでも小辞典』日本音響学会編) |