日本人は英語がヘタ?中学、高校、大学と勉強していながら話せないのはなぜ?通訳付けないと日常会話もできない首脳は日本だけ?ともあれ英語は世界語になることは間違いなさそう。ここでは「日本人が英語が苦手なわけ」を分析してみたいと思います。


Last update January 8, 2019

赤ちゃんは語学の天才? (1)

英才教育というか、幼い子供に英語を習いに行かせるという親御さんがたくさんいらっしゃいますが、これにはやはり「一理ある」ようです。

自分が英語で苦労したから子供には… という方もいらっしゃるかもしれませんが、科学的にも赤ちゃんの語学能力の高さが証明されています。といっても、もちろん、生まれたての赤ん坊が「ペラペラ」しゃべり出すということはありませんので、これは「音」に対する知覚能力ということで考えてください。

1970年代には生まれたばかりの赤ん坊が [ b ][ p ] の音を聞き分けるということが実験によって証明され、さらにその後の研究では、母国語、外国語を問わずあらゆる発音を聞き分ける能力を生まれつきもっているということがわかりました。まさに「生まれたて」というのは「白紙」の状態、英語の発音でもフランス語の発音でもドンと来い!の能力を持っているということです。

それがまわりの環境、つまり母国語の環境で育てられるうちにだんだんと限定されてきて、ついには母国語の音しか聞き分けられないようになってくるというわけです。

ああ、あのはるか遠い「生まれたて」のころ… あの頃にもっと頑張っておくんだった、英語の [ r ][ l ] の音を聞き分ける能力をなんとかキープできなかったのか… などと悔やんでみてもしかたないのですが、なんかもったいないような話ですね。





では、いつ頃からこういった聞き取り万能の能力が低下してくるかというと、だいたい生後6~8ヶ月だそうです。もう生後1年もすると、母国語への適応が進んでいますから、母国語では区別しない二つの音の違いを聞き分けることはできなくなっているそうです。

これは子音でも母音でも同じことがいえます。ちなみに日本語の母音は「ア、イ、ウ、エ、オ」の5つの音しかありません。その昔は「エ」に加えて「ヱ」、「イ」に加えて「ヰ」などという音があり、区別していた時代もあったようですが、現代ではとくに区別することはありません。

英語では10種類あり、ご存知のようにそれぞれ音が違います。スウェーデン語では13種類以上もあるというのですから、たまりません。もちろん、スウェーデンの赤ちゃんも、生後6ヶ月もたつと、この13種類の母音に適応し、きちんと聞き分けをしているというわけです。

次のページへ