日本人は英語がヘタ?中学、高校、大学と勉強していながら話せないのはなぜ?通訳付けないと日常会話もできない首脳は日本だけ?ともあれ英語は世界語になることは間違いなさそう。ここでは「日本人が英語が苦手なわけ」を分析してみたいと思います。


Last update May 21, 2019

出しゃばりすぎる母? (1)

もれなく「母」がついてくる

入学式まではまだわかるけど、最近では入社式にまでも「親」が登場してくるようです。それも、父親と母親とどちらが多いかといえば、やはり「母」が多いのではないかと思われます。

というわけで、今回は、日本人の英語が苦手な理由の1つとして、「母」が出しゃばりすぎるという話をしてみたいと思います。

日本では「母」が出しゃばるから日本人は英語が下手?そんなバカなことがあるわけがない――と思われるかもしれませんね。

もちろん、「夏彦さん、もっとこの発音は口を大きく開けて…」とか、「その表現じゃ通じませんよ」など、ことあるごとに干渉してくる「母」ということではありません。もっとも、そんなに英語が達者な母なら重宝するかもしれません。





ではどういうことかというと、「母」は「母」でも「音の母」、つまり「母音」のことです。実は、日本語は「母音」が非常に大事な役割を持っている言語だと思うのです。もちろんどの言語にも母音はありますが、日本語ほど子音に一つ残らず母音がつく言語はないということです。

もっとわかりやすく説明しましょう。

たとえば、ここに「ka」というアルファベット表記があるとします。これを日本語表記してみると「か」ですよね。でも不思議なのは、「ka」は「k」という文字と「a」という文字が組み合わさった表記であり、発音も同じことが言えます。[k] という音と [a] という音が組み合わさって [ka] という音になるわけです。

ところが、日本語は1文字で「か」です。

その昔、小さな子供に英語を教えていて、「kaa は日本語で書くと "あ" だけど、k の日本語はどう書くの?」と質問されたことがあります。実は、「英語の発音」―「日本語の子音はどこにあるのか?」でも取り上げているネタですが、日本語では「か」が最小の文字のユニットであり、これ以上分解できないのです。というか、もともとこれ以上分解する発想なんてなかったんだと思います。発想(必要性)があれば、ka の音だけを表音する文字ができていたはずですね。

言いかえれば、日本語では

 「子音」だけの音は存在しない。必ず「母一人子一人」の単位で、「子音」と「母音」は合体している。

ということが言えます。「母音」がついてくるだけでなく、「子音」だけの文字がないわけですから、「合体」していると言うことができます。なんだか恐ろしい事実ですね。

もう少し掘り下げてみましょう。

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