Dash — – ダッシュ (1)
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ダッシュの役割
「あ、電車が来た、ダッシュ!」などと気合の入った句読点のようですが、あまりダッシュしてばかりじゃ疲れますし、多用は避けたいものです。あくまでもアクセント的な使用を目的とします。また、ハイフン(‐)の長いヤツ?と思ってしまいますが、ハイフンとダッシュは別物で、用法もそれぞれ異なります。
ダッシュには、文中に「中断」を入れるという意味があります。文章を中断させるという意味では、コンマやコロン、セミコロンもそうですが、ダッシュの場合は、コンマよりは「中断」が強く、コロンやセミコロンよりはくだけた使い方ということができます。もっと言えば、先に「アクセント的な」使用ということを述べましたが、文章をいったん中断(サスペンス)させて、その後に続く内容に期待感を持たせる、ドラマチックな予感を持たせるという役割も帯びていると言えるでしょう。
また、丸カッコのように、補足的な情報を入れるという役割もありますが、やはりダッシュのほうがくだけた用法になります。さらに、詩などの文学作品や話し言葉の記述では、「…」のように、余韻を持たせたり、感情の動きなどの「微妙さ」を表現する場合にも使われます。
いずれにしろ、感覚的で主観的な用法となるため、正式な文書では、場合に応じて、コロンやセミコロン、丸カッコなどを使用するのが望ましいと思われます。
日本語のキーボードには、英語のダッシュが配置されていないのが普通ですので、専用のキーが無い場合は、ハイフン(‐)を2つ重ねて代用することができます。また、ダッシュの前後に半角スペースを入れるか入れないかは、両方の考え方があるようで、もちろんどちらかの統一は必要ですが、使う人によっても異なります。詳しくは、5. ダッシュの種類と用法を参照してください。
ダッシュのルール
以下、ダッシュを使うルールについて見てみましょう。
では、詳しく見ていくことにしましょう。
1. 付随情報など、文章中に挿入句・節を入れる場合。
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奥さん同士の長電話などでよくあるパターンですが、「○○さんちのご主人―課長だったんだけどさあ―今度部長になったんだって」というふうに、ある話題を話すときに、その途中にさらにプチ話題を盛り込むという手法です。ダッシュに囲まれた部分は、あまり重要性のない付随情報ですので、削除しても全体の意味が通じることが条件です。また、正式な文書では、丸カッコを使うのが普通です。
The teacher's lecture—if you could call this an endless lecture—lasted three hours.
Her new dress—she bought it yesterday—costed 100 thousand yen.
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2. ある情報の後に、関連する情報を追加する場合。
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「速い、安い、うまい―うちの店の目標です」とか、「安い、遅い、まずい―うちの店の現実です」というふうに、ある情報を言及した後に、その情報を説明したり、要約したりする語句を追加する用法で、正式にはコロンを使います。
Freedom, opportunity, equality—the qualities that make the country great are all disappearing.
The machine began to make a noise—a grinding, chugging, screeching squeal.
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