「ラジオ英会話」でリスニングを鍛える
こうして、物置き部屋の古いラジオ(右の画像はイメージ)で聞くことになった「ラジオ英会話」。スイッチを入れ、周波数の「つまみ」を回すと「ピー、ガー」という雑音に混ざって「…ハムニダ」とか「…イッスムニダ」など、さすがに九州だけあって朝鮮半島のラジオもよく入ります。やっとこさ レッスン1はよく覚えていませんが、やはり「あいさつ」表現のような内容だったと思います。まず最初に全体のスキット(今では そのときの講師の先生の解説は、私にとってまさに「画期的で衝撃的な啓蒙」でした。それは英語には「強」と「弱」のリズムがあること。「強」の部分はゆったりと発音するのに対して、「弱」の部分はそれよりも速く発音しなければならないということです。先生の解説の詳細は覚えていませんので、私なりに「こうだろう」と解釈した内容を示すと、以下のようになります。
図中の赤丸は、音の強弱を表わし、大きいものほど音が強くゆっくり発音すると意味です。厳密に音節などを示しているのではなく、あくまでも強弱のイメージととらえてください。「私は学校に○○」という意味の単文ですが、通常、「私」 この3つの言い換えのうち、最初の 「時間」といっても、実際に計った時間というのではなく、相対的で心理的な時間ということになります。間に
読めれば聞き取れる、聞き取れれば読める英語のリズムを習得するには幼い頃がいいのですが、何しろ、私が英語を始めたのは中学校に入ってからです。日本語のリズムに慣れきった脳には、この強弱のリズムは未知の世界。こういった弱く速く発音する部分が文章に数箇所出てくると、なかなか処理できないのです。しかし、訓練あるのみ。語学の基本は、ネイティブスピーカー(あるいはそれに近い人)のモノ真似から始まります。というより、それしかありません。当時は、カセットレコーダーのようなものもなく、ラジオの放送が一発勝負です。必死で聞きました。テキストには抑揚やスピード、リズムなどの記号(自分だけにわかるような)を書き込み、ゲストのネイティブスピーカーとまったく同じように真似できるまで練習です。自転車での通学途中もブツブツと練習を重ね、とうとうネイティブに近い読み方ができるようになったときのうれしさ。手を打って喜びました。そして、中学三年の春に受験した英語検定3級のリスニングは、まさに一字一句聞き取れるまでに上達していたのです。さらに、その秋には2級にチャレンジしましたが、これも無事に合格することができました。 当時は自分でも不思議なくらいでしたが、今にして思えば、「口」を使ってモノ真似をすることで、脳が英語のリズムを受け付けるようになり、ひとつ壁を破ることができたのだと言えるでしょう。「英語耳」といいながら、結局は脳の働きですから、「発音できれば聞き取れる」ということで、「読む」ことと「聞く」ことは密接に関わっているというわけです。 |




こうして、物置き部屋の古いラジオ(右の画像はイメージ)で聞くことになった「ラジオ英会話」。スイッチを入れ、周波数の「つまみ」を回すと「ピー、ガー」という雑音に混ざって「…ハムニダ」とか「…イッスムニダ」など、さすがに九州だけあって朝鮮半島のラジオもよく入ります。やっとこさ