Last update March 24, 2022

ニュージーランド英語の発音

基本的な特徴

音節語尾の母音の後の「r」は発音しない (non-rhotic)
ニュージーランド英語は、一般的には、イギリス英語やオーストラリア英語と同じく、「r」のスペルを発音しない non-rhotic (ノン・ロウティック) で、linking R (つなぎの R)」intrusive R (侵入の R)」といった現象が起こります。しかしながら、スコットランド英語の影響の強いサウスランド(Southland)では rhotic の発音が使われています。また、non-rhotic の話者であっても、Ireland、merely、err、アルファベットの R など、母音の前に来ない「r」を発音する話者もみられます。

母音間歯茎はじき音
アメリカ英語やオーストラリア英語の発音のように、母音に挟まれた強勢のない音節の /d//t/ が「ら行」に近い音になるという母音間歯茎はじき音化 (Intervocalic alveolar flapping) がみられます。

/j/ の合体
オーストラリア英語と同様に、/tj//dj/ の子音が口蓋化することで、2つの子音が /ʧ//ʤ/ に合体する /j/ の合体 (Yod-coalescence) という現象がみられます。

/j/ の脱落
また、オーストラリア英語と同様に、/j/ が落ちる /j/ の脱落 (Yod-dropping) の傾向もみられます。

l」の母音化
語尾にくる /l/ の音が母音化し、/w/、/o/、/ʊ/ などに近い音で発音される l」の母音化 (L-vocalization) がみられます。

暗い /l/ の発音
イギリス英語が明るい /l/ と暗い /l/ を使い分けるのに対して、ニュージーランド英語ではすべての /l/ が暗い /l/ で発音されます。これら2種類の発音については、明るい /l/ と暗い /l/ (Light /l/ and dark /l/) をご覧ください。

happy の語尾音の強調
オーストラリア英語にもみられますが、ニュージーランド英語でも、happy の語尾のようなゆるい /ɪ/ の音が強調され /i/ の音で発音される happy の語尾音の強調 (Happy-tensing) がみられます。