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擬音語ぎおんご擬声語ぎせいご擬態語ぎたいご

解明かいめい日本語にほんごのオノマトペ (2)




Last update January 12, 2020

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清音せいおん濁音だくおん印象いんしょうちが

おなじようなおとあらわであっても、たとえば、「トントン」というおとと「ドンドン」というおとがあります 

ここでは、そういったにごおとにごらないおとのオノマトペのちがいについてかんがえてみたいとおもいます。

「トントン」と「ドンドン」では、「と」(清音せいおん)と「ど」(濁音だくおん)のちがいがあるだけですが、やはりそのイメージはことなります。ドアを「トントン」とたたく場合ばあいは、「はいってもいいですか」というかるいノックですが、「ドンドン」とたたく場合ばあいは、緊急時きんきゅうじなどで「はやくドアをろ!」というように、たたくちからつよく、おとおおきくなる印象いんしょうがあります。

そういった清音せいおん濁音だくおんのイメージのちがいをまとめてみるとつぎのようになります。

japanese-onomatope-voiced-voiceless-sound-difference

一般的いっぱんてき傾向けいこうとして、濁音だくおんには清音せいおんにくらべると、「おもたく、にごったような、不快ふかいなイメージ」があり、おおきさてきにも「おおきく」なり、どこかカラっとせずに湿しめった印象いんしょうがありますが、清音せいおんにはそのぎゃく印象いんしょうがあります。

なお、清音せいおんとは無声音むせいおんであり、[k]、[p]、[t]、[s]、[f] などのおとい、濁音だくおん有声音ゆうせいおんで、[g]、[b]、[d]、[z]、[v] などのおとします。

開口度かいこうどによる印象いんしょうちが

かたいものをかじるときなどのオノマトペとして「パリパリ」と「ポリポリ」がありますが、なにかちがいがあるのでしょうか?

ここでは、こういったくち開け方あ かたによる印象いんしょうちがいについてかんがえてみたいとおもいます。

一般的いっぱんてき日本人にほんじん感覚かんかくとしては、「パリパリ」というと「おせんべい」のような面積めんせきひろいものをかじっているかんじがあり、「ポリポリ」というと「かりんとう」のようなほそいものをかじっている印象いんしょうがあります。

ちなみに、音象徴おんしょうちょうという専門分野せんもんぶんやでは、母音ぼいんくち開け方あ かたと「おおきさ」のイメージの関連性かんれんせい研究けんきゅうされており、「くち開け方あ かたおおきい→おおきなものを連想れんそうさせる」という仮説かせつ証明しょうめいされている研究結果けんきゅうけっかもあるようです。

この傾向けいこう万国共通ばんこくきょうつうかどうかは今後こんご研究けんきゅうにゆだねるしかありませんが、すくなくとも筆者ひっしゃふく日本人にほんじん感覚かんかくとしては、ほぼ「くち開け方あ かたおおきい→おおきなもの」というイメージは適用てきようできるのではないかとおもいます。

japanese-onomatope-mouth-opening-difference-jp

くちおおきさは、した位置いちしたにくるほど開け方あ かたおおきくなり、同様どうように、おくくほどおおきくなります。した上下じょうげあるいは前後ぜんごうごかすことで、くちおおきさ(口の中くち なか空洞くうどう)が変化へんかするわけです 

まず、上下じょうげ位置いちでみると、「あ」の母音ぼいん発音はつおんするときにはした位置いちもっとしたにあり、「え」や「お」のときは中間ちゅうかんにあり、「い」や「う」のときはうえ位置いちにあります。おおきさのイメージも、「あ」→「え、お」→「い、う」のじゅんちいさくなっていくわけです。「ぱりぱり」が「ぽりぽり」よりおおきいのがわかりますね。

つぎに、前後ぜんご位置いちでみると、「い」のときはした位置いちまえにあり、「う」のときはうしろにるので、「い」より「う」のほうがおおきな印象いんしょうがあります。同様どうように、「え」より「お」のほうがおおきなイメージになるわけですが、その母音ぼいん前後ぜんごにくるおとによってくち開け方あ かたことなる場合ばあいもあるため、「え」のほうが「お」よりもおおきいイメージをかんじることもあるかもしれません。あくまでも、ひとつの目安めやすとしてご理解りかいください。






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