Things About Japan image

そこがりたい日本にほんの「なぜ」?

なぜとりんぼでおよいでいるの?




Last update July 24, 2022

Back  


無事任務ぶじにんむえてクルージングをたのしむ(?)一群いちぐん

なつ田舎いなか散歩さんぽしていると、みずったんぼですいすいおよぎながら、水中すいちゅうをつついている水鳥みずどり姿すがたかけるかもしれません。不思議ふしぎ光景こうけいですね。農家のうかひとはなぜ放置ほうちしているの?とりおよげるところはほかにないの?それとも、日本にほんのようなちいさな国土こくどではまともないけもないの?とおもってしまいますよね 

この「とり」は正確せいかくうと「合鴨あいがも」と言って、野生やせいのマガモとアヒルをわせてまれた品種ひんしゅです。で、その合鴨あいがもたちが一体何いったいなにをしているかとうと、てのとおおよぎながらエサをべているのですが、じつはそこにはもっとふか事実じじつがあります。つまり、化学物質かがくぶっしつ使つかわないこめ栽培さいばい一役買ひとやくかっているのです 

でも、んぼのなかおよいでいるだけで一体何いったいなにができるのでしょうか?まず、あしをばたばたとうごかすことで、雑草ざっそう引き抜ひ ぬのぞくことができます。また地面じめんらし刺激しげきあたえることで、こめっこに酸素さんそおくります。つぎに、むしべてくれるので、害虫駆除がいちゅうくじょになります。さらに、フンは肥料ひりょう栄養分えいようぶんになります。つまり、農家のうかにとっても、合鴨あいがもたちにとっても(もちろん本人ほんにんたちは一切いっさいあずかりらないことですが)Win-Winの関係かんけいになるわけです。

これは「合鴨農法あいがものうほう」とばれ、ふるくから、ほかのアジアの国々くにぐにでもおこなわれています。日本にほんでは、豊臣秀吉とよとみひでよし時代じだいはじめられましたが、あまりさかんになることはなかったようです。とくに1950年代せんきゅうひゃくごじゅうねんだいになると、もっと効率こうりつ化学肥料かがくひりょう農薬のうやく使つかわれるようになり、ますますすたれていきました。しかし、時代じだいわり、人々ひとびと健康けんこうがいのない自然しぜんなものをもとめるようになってきました。そこで、かもたちが返り咲かえりざきをたしたのです。

というわけで、「合鴨あいがもさん、美味おいしいおこめをありがとう。また来年らいねんもよろしくね!」といたいところですが、残念ざんねんながら、この合鴨あいがもたちに来年らいねんうことはできません。なぜって、こんなにおおきくなってしまったからです。この仕事しごとができるのは、子供こども合鴨あいがもだけで、大人おとなになったらんぼをていかなければなりません。「そんな理不尽りふじんな…!」とおもってしまいますね。しかし、おおきくなるのはかもたちだけでなく、こめ成長せいちょうします。こめをつけてくると、今度はこれを成鳥せいちょうべてしまうからなのです。じゃあ、おおきくなった合鴨たちはどうなるの?とうと、あまりいたくはないのですが、んぼからされ、さらにエサをあたえられ、ふとらされて、やがては人間にんげん食卓しょくたくのぼるのだとか。なんともおぞましい事実じじつですが、食物連鎖しょくもつれんさきびしい現実げんじつですね。せめて、そのとうと犠牲ぎせい感謝かんしゃし、美味おいしくいただきましょう!


Back