Things About Japan image

そこがりたい日本にほんの「なぜ」?

なぜタヌキがあちこちにいるの?




Last update May 5, 2021

Back  



えきたところにさっそくっているのがこれ(写真しゃしん)。さらにとおりをあるいていくと、いるわいるわ… おおきいのからちいさいもの、可愛かわらしい女の子おんな こタヌキやダヌキ、あかちゃんタヌキまで、おみせにわから入口いりぐち廊下ろうか、そして道端みちばたにも…。そうです、ここは、陶器とうきのタヌキの里信楽さとしがらきです。

滋賀県しがけんにある信楽しがらきは、すぐれた陶器とうき産地さんちですが、なかでも有名ゆうめいなのが、独特どくとくのまあるいとおなか突き出たつ でタヌキの置物おきもので、ているだけでおもわずにっこりしてしまいます。でも、なぜいぬでもなく、キツネでもなく、ネコでもなく、うまでもなく、タヌキなのでしょうか?そして、なぜそんなに可愛かわいのか?そのへんさぐってみましょう。

信楽しがらきのタヌキの老舗しにせであるおみせサイトによると、藤原銕造ふじわらてつぞうという陶器職人とうきしょくにんみせ創立者そうりつしゃ)がその原型げんけいつくったとされ、つぎのようなエピソードがあります。

あるあき名月めいげつよる見習い職人みなら しょくにんだった11さい少年しょうねん銕造てつぞう)は、はるかやま頂上ちょうじょうから絶妙ぜつみょうつづみおとこえてくるのにづいた。なんだろう?と不思議ふしぎおもってそっと頂上ちょうじょうまでのぼった少年しょうねんたものは、わすれられない光景こうけいだった。なんと、金色こんじきつきひかりびながら、いもわかきもいっしょになって、自分じぶんまるはらをたたいて腹鼓はらつづみきょうずるタヌキの集団しゅうだんがいた。タヌキの腹鼓はらつづみは、万人まんにん一人ひとりしかることのできないめずらしい(道理どうりたことがないわけですね)吉祥きっしょうだとされていた。

それ以来いらい山頂さんちょうたタヌキの姿すがたをなんとか再現さいげんしたいとおもった銕造てつぞうは、タヌキづくりに没頭ぼっとうするようになります。ほか職人しょくにんたちもそれにならい、タヌキを作り始つく はじめたことから、だんだんと信楽焼しがらきやきのタヌキとして有名ゆうめいになっていきます。また、人々ひとびとあいされる表情ひょうじょう作り出つく だすため、改良かいりょうかさねられました。

そのタヌキが全国的ぜんこくてきられるようになるのは、昭和天皇しょうわてんのう裕仁ひろひと)が信楽しがらき訪問ほうもんされてからのことでした。おさないころタヌキの置物おきものあつめておられたという天皇てんのうは、日の丸ひ まるはたち、みち両側りょうがわれつをなしておむかえするタヌキの置物おきものにいたく感動かんどうされ、つぎのようなうたまれたのです。

をさなきとき あつめしからに なつかしも
しからきやきの たぬきをみれば

こうして、それまでは地元じもとでしかられていなかった信楽焼しがらきやきのタヌキが突然全国的とつぜんぜんこくてき有名ゆうめいになったのです。庭先にわさき縁起物えんぎものとして、近隣地域きんりんちいき人々ひとびといにるようになり、注文ちゅうもんしておくってもらう遠方えんぽうのおきゃくさんもいます。



ところで、信楽しがらき陶器技術とうきぎじゅつは、世界中せかいじゅう美術作品びじゅつさくひん再現さいげんするためにも使われています。ゴッホやダ・ビンチ、ルノアール、ベラスケス、ピカソなど、ありとあらゆる画家がか作品さくひん再現さいげんし、すべてワンストップで鑑賞かんしょうできる美術館びじゅつかんが、徳島県とくしまけんにある「大塚国際美術館おおつかこくさいびじゅつかん」です。まさに本物ほんものそのものの迫力はくりょく!そしてなんといっても、作品さくひんれたり、撮影さつえいできるのが魅力みりょくです。



Back