母音が変わった!大母音推移 (2)
推移した単語例 (1)
では、推移した母音ごとに、具体的な単語を例にあげて、どのように発音が推移したかをみてみましょう。表中のカナ表記はあくまでも目安です。
1./iː/(スペルが -i-)の発音の二重母音化
bite という単語を例にとると、推移前は /biːt/ と発音していました。スペルに近い発音ですね。それが大母音推移の第1フェーズでは、/beit/、さらに /bɛit/ と発音されるようになり、大母音推移の後に /baɪt/ と変化していきます。
bite |
発音 |
1400年 |
/biːt/ (ビート) |
1500年(大母音推移第1フェーズ) |
/beit/ (ベイト) |
1600年(大母音推移後) |
/bɛit/ (ベイト) |
1900年(~現代) |
/baɪt/ (バイト) |
2./uː/(スペルが -ou-)の発音の二重母音化
out という単語を例にとると、推移前は /uːt/ と発音していました。それが大母音推移の第1フェーズでは、/out/、さらに /ɔut/ と発音されるようになり、大母音推移の後に /aʊt/ と変化していきます。
out |
発音 |
1400年 |
/uːt/ (ウート) |
1500年(大母音推移第1フェーズ) |
/out/ (オウト) |
1600年(大母音推移後) |
/ɔut/ (オウト) |
1900年(~現代) |
/aʊt/ (アウト) |
3./eː/(スペルが -ee-)の発音のレイジング
meet という単語を例にとると、推移前は /meːt/ と発音していました。それが大母音推移の第1フェーズでは、/miːt/ と発音されるようになり、現代にいたります。
meet |
発音 |
1400年 |
/meːt/ (メート) |
1500年(大母音推移第1フェーズ) |
/miːt/ (ミート) |
1600年(大母音推移後) |
1900年(~現代) |
4./oː/(スペルが -oo-)の発音のレイジング
boot という単語を例にとると、推移前は /boːt/ と発音していました。それが大母音推移の第1フェーズでは、/buːt/ と発音されるようになり、現代にいたります。
boot |
発音 |
1400年 |
/boːt/ (ボート) |
1500年(大母音推移第1フェーズ) |
/buːt/ (ブート) |
1600年(大母音推移後) |
1900年(~現代) |
5./ɛː/(スペルが -ea-)の発音のレイジング
meat という単語を例にとると、推移前は /mɛːt/ と発音していました。それが大母音推移の第2フェーズでは、/meːt/ と発音されるようになり、大母音推移の後に /miːt/ と変化し、3.の /iː/ に同化します。
meat |
発音 |
1400年 |
/mɛːt/ (メート) |
1500年 |
1600年(大母音推移第2フェーズ) |
/meːt/ (メート) |
1900年(~現代) |
/miːt/ (ミート) |
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