なぜ、日本人は英語が話せないのか? (3)ここ一番というときにしっかりしゃべるぞ普段からしゃべっていないと「ここ一番」も「二番」もないでしょう。英語を話すときは、日本人社会のルールはちょっと忘れて、思いっきり「おしゃべり」になることです。「男は黙って○○ビール」(ちょっと古いですが)などとニヒル(?)なカッコよさなんかを狙っているのでは、みんなが楽しそうに英語で会話をしているときに、何もしゃべれなくて、事実黙ってビールでも飲んどくしかないなんてことになってしまいます。「ここぞというときにツルの一声」なんてことも、日本ならではのことで、英語圏では、いつも弁舌なめらかに主張している人が「勝ち」です。 自分ひとりがしゃべっていては…こういう気遣いができるのも日本人の良いところなのですが、他の人がしゃべらないのなら、何も遠慮する必要はありません。たとえ他に話す人がいても、自分も必ず発言するのが肝要です。英語圏の発想では、「しゃべらない」=「しゃべることがない」=「何も考えがない」ということですから、割り切ってどんどん発言しましょう。とは言え、「自分ばかりがしゃべっていても面白くないので、他の方はどうですか」という配慮も必要で、誰かを指名してしゃべってもらう、質問をするなど、会話を仕切ってしまうのも効果的です。英語圏の発想では、「みんなを引っ張っていけるリーダー的な存在」という良いイメージを持たれるでしょう。 特に話すこともないし…話すことがないということは「話題」を持っていないということで、話題がなければ作りましょう。誰でも、生きている限り、ひとつやふたつ興味を持っていることはあるもので、そのなかで、適当なものを選んで、話題の準備づくりを普段からしておくことも大切です。今度はこういうことを話そうと、あらかじめ決めておいて単語なども調べておきます。 会話スクールや会話をする機会というのは、本番のプレゼンテーションのような位置づけで、事前に会話のシミュレーションまでやっておくとより話す力が身につきます。ジョークのひとつやふたつも持っておくとさらに会話が楽しめるようになってきます。 というわけで、「会話」をするのに特別な勉強は不要です。わからない単語を調べておくくらいで、英語の決まり文句などもその都度、覚えたときに取り入れていけばいいわけです。文法も大事ですが、会話に関しては、文法や英単語や熟語などを覚えてから会話をしようというのでは、いつまで経っても会話はできませんし、単語や表現は覚えても覚えてもキリがありません。 自分の知っている範囲の英語を使って、いかに会話していくか、これが第一歩です。千里の道も一歩から――すべての会話はブロークンから始まるのです。 |