「l」と「r」の音の本質 (1)

まず、「l」と「r」の音はどうやって発音するのか、その発音のしくみを見てみましょう。また、当然のことながら、「l」と「r」の違いを理解するには、自分自身できちんと発音できることが前提になります。

まだ２つの音を区別して発音できないという場合は、当サイトの「英語の発音―/l/、/r/ の発音」や「英語なんてタコ――発音なんてタコ――[ l ] の発音および、[ r ] の発音」を参考にして、まずそこからマスターしましょう。

「l」の音とは？

このサイトの「英語の発音―/l/、/r/ の発音」のコーナーでも説明していますが、「l」の音は、舌先を上の歯ぐき（あるいは上の歯の裏側）に付着させた状態で息を出すことによって発音します。

舌先が上の歯ぐき（または上の歯）の裏側につけることで、舌の中央はふさがれてしまうため、空気（息）は、舌の側面を通って口から出ます。このときに出る音色が「l」の音なのです。では、実際に耳で聴いてみましょう。なお、母音の音を入れないとわかりにくいので、音声サンプルでは「la」の音を発音しています。

まず最初に、音をやや伸ばした発音を聴いてみましょう。

よく耳を澄ませてみると、音の出だしに、小さく詰まったような、遮られたような音にならない音が感じられますね。これが、舌先が上の歯ぐき（または歯）の裏側に付着しているときの空気の流れがさえぎられる瞬間だと言えます。実際に「ラー」と聞こえる段階では、もう舌先は歯ぐき（歯）から離れています。

英語の発音では、ここまで間延びした音にはならないので、実際の単語の発音から最初の「l」の音だけを抜き出したものを聴いてみましょう。

いかがですか？「あ、そう？」という感じでしかないかもしれませんね。まあこんなもんなのですが、よく聴くとちょっと暗いような、音の出だしが詰まったような印象を受けますね。この「詰まり」は、舌先が上の歯ぐき（または歯）の裏側に付着していてそこで起きる音ともいえるでしょう。この発音は、アメリカ人男性と女性の「l」の発音のイメージです。

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