Last update June 20, 2022
「l」vs「r」聴き分け戦略 (1)
当然のことながら、「l」と「r」の違いを理解するには、自分自身できちんと発音できることが前提になります。
まだ2つの音を区別して発音できないという場合は、当サイトの「英語の発音―/l/、/r/ の発音」や「英語なんてタコ――発音なんてタコ――[ l ] の発音および、[ r ] の発音」を参考にして、まずそこからマスターしましょう。
聴き分けられない現象
自分で「l」と「r」の音を正しく発音できるようになれば、その違いも聴き分けられるようになるかというと、残念ながらそういうわけにはいきません。
もちろん、簡単に聴き分けられるものもありますが、いざいろんな音のサンプルを聴いてみると、そのサンプルによっては、「同じような音に聞えてしまう」、「どこが違うのかわからない」という現象が起きてしまいます。
日本人として多いのが、
1. 「l」と「r」を並べて聴くと違いがわかるが、それぞれ単独で出てきた場合どっちなのかわからない
2. 「r」だと思ったら「l」だった
3. これまでの間違いの経験から「l」だろうと思ったら「r」だった
というような傾向だと思われます。
1. の傾向については、たとえば、「l」は「r」よりも云々… といった比較で覚えているため、単独で出てきた場合(現実には単独でしか出てきませんね)、「どっちだろう?」と迷ってしまうのです。突きつめて言えば、それぞれの音の性質をしっかり知覚できていないということになります。
2. の間違いが起きる背景には、たとえば、
「l」は日本語の「ら行」に似ているが、「r」は巻き舌の「ら行」なので「l」よりも「強くて濃い音」になるはずだ
といった理解をしていることがあげられます。
あるいは、「r」は「ウらー」というように最初に「ウ」のような音が入るという覚え方をしている場合もあるでしょう。
こういった理解のしかたが間違いだといういうわけではないのですが、「l」の音であっても、特にアメリカ英語の「ダークな l」が「重厚な音」に聞えたり、最初に「ウ」のような一呼吸おいた音が聞こえるため、「r」ではないかと勘違いしてしまうのです。
さらに、3. ですが、そういう間違いが続くと、言語学でよく話題にされますが、「間違わないようにしよう」という「過度な訂正」心理が働き、「r」のように聞こえるのに「l」だと判断してしまうという現象が起こります。
また、テストでは、「さっき r が出てきたから今度は l だろう」という推測のもとに「正解」しても意味がありません。しっかりと音の性質をつかんだうえでの
「正解」をめざしたいものです。
以上のような傾向を頭においたうえで、では、どうすればそれぞれの音を正しく知覚できるようになるのかを考えてみましょう。
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