Last update June 20, 2022
なぜ「l」と「r」の聴き分けが必要なのか?
「なぜ必要なのか?」と言われると、まあ脈絡から right か light か、wrong か long かというようなことは推測できるので、聴き分けについては「絶対に必要だ!」とは断言できません。
しかし、自分で発音するときに、この2つの音を区別して発音できないのは困ります。これについては(英語を話そうとするかぎり)「絶対に必要だ!」と言えるでしょう。まだこの2つの音を区別して発音できないという場合は、当サイトの「英語の発音―/l/、/r/ の発音」や「英語なんてタコ――発音なんてタコ――[ l ] の発音および、[ r ] の発音」を参考にして、まずそこからマスターしましょう。
ちなみに、自分が発音するときに、「l」と「r」を間違えるととんでもない意味にとられることもあります。詳しくは、当サイト内の「ベロ巻き (r)」vs「ベロタッチ (l)」リストをご覧ください。
聴き分けられない寂しさ
確かに、「l」と「r」の聴き分けができないからといって、それほど困ることはありません。しかし、脈絡に照らしあわせても「どちらともとれる」微妙な場合があるのです。そしてそんなときに間違いをしてしまうと、ちょっとした「恥をかく」ことになります。
「この人、こんなに英語がうまいのに、やっぱり l と r が弱いのか」とか「日本人が l と r が苦手なのは本当だった!」、「日本人だからしかたないか。これからはもっと気をつかってあげよう」などと相手に思わせてしまうかもしれません。
「国際社会で英語圏の人と対等にやりあうぞ!」と張り切っていた自分にとっては、なんだかガックリ来てしまうものです。腰がくじけるというか、自信もなくしてしまいますよね。インターナショナルなチームなどで、「あの人の英語はまだ完ぺきじゃないから…」といったレッテルを貼られたりすれば、たまったもんじゃありません。
もちろん、なかには「完ぺきに聴き分けられる」という人もいるかもしれませんが、日本で日本人の両親のもとに生まれ育った人であれば、完ぺきに聴き分けられる人は少ないのではないかと思います。上級レベルの英語を使いこなす人であっても、完ぺきに聴き分けできるとはかぎりません。母国語である日本語にはない音の区別でもあるだけに、「聴き分け」ができないのが当然だとも言えます。
よくネットでも、日本人に英語を教えている英語圏の人たちが(英語で)コメントしていることがあります。「日本人ってほんとに l と r が苦手だよね」、「まったく別の音なのに区別できないんだ」、「なぜあんなに間違うのか理解できないよ」というようなことになり、「ダメな日本人」だと認識されている事実にマイルドな怒りすら覚えます。
英語が国際語になっているので自分たちも一種「誇らしさ」を感じているのか、母語にない音を識別できないという気持ちがわからないのです。これは私見ですが、そういう人たちに「l と r の音を聴き分けるにはこうすればいいんだ!」などと言われても、なんだか説得力がないと思うわけです。日本人の立場で発想していないので(できませんよね)「どこがどうわからないか」がわかるはずがありません。
やはりそこは、同じように、「わからない」日本人がわかるようになって、そのわかるようになった方法をシェアしていくのがベストだと思うのです。
というわけで、何を隠そう、「l」と「r」の聴き分けができなかった私自身が、自分のスキル向上のために解決策を模索し、構築したのがこのサイトです。少しでも同じ課題をかかえる人たちの参考になれば幸いです。
もちろん、「外国人の意見なんかに振りまわされたくない」、「脈絡からわかる範囲で十分だ、自分はそんな努力はしたくない」というのも1つの決断であり、それはそれで尊重したいと思います。
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