Last update March 7, 2020

「学習の時間がない」という人のために (2)



候補となる時間帯をあげる

前のページで作成した「睡眠時間」、「拘束時間」、「自由時間」からなる時間表をもとに、学習に活用できそうな時間を探します。

「自由時間」およびそれ以外の「拘束時間」からも時間が工面できそうかを考えると、通勤している人は通勤時間が使えそうです。次に、昼食時間のうち少しは学習にまわせるかもしれません。帰りの通勤時間もあります。そして、帰宅してから、家事、夕食、お風呂などの時間を差し引いた「自由時間」も使えるかもしれません。

それらの時間を使うか使わないかは後で判断するとして、とりあえず可能性としてあげてみましょう。何十分というこま切れの時間も含めるようにしてください。

たとえば、こういう感じになります。

時間帯 時間
通勤電車のなか(行き)(7:00 - 8:30) 1.5時間
昼休み (12:00 - 13:00) 20分
通勤電車のなか(帰り)(19:00 - 20:30) 1.5時間
帰宅後 (21:00 - 22:00) 2時間

また、これは場合によってはむずかしいのですが、英語学習以外の活動と英語学習を組み合わせたり、同時に両方がやれるような方法があればベストだということですね。

たとえば、もともと一日のうちニュースを読んだり見たりする習慣がある人であれば、英語でそれをやるわけです。すべて切り替えるのはむずかしいにしても、一部を英語のメディアにするとか、同じトピックについて日本語と英語の両方で読む(聴く)などですね。日記をつけるのが習慣であれば、それを英語でつけてみるのもいいでしょう。家に帰って映画やドラマを観るのなら、英語の作品を英語の字幕で観ることで、娯楽と学習を兼ねることもできます。(筆者もやっていますが)Twitterなどのソーシャルメディアで英語のニュースサイトをフォローしたり、英語でツイートするのもいいかもしれません。

自分が普段行っている活動と英語学習がリンクできないかを考えてみてください。英語になるとそれだけ時間がかかるので、処理できる量も少なくなるかもしれませんが、慣れればスピードアップするはずです。





無理なく計画的に

ここで、「さっぱり上達しない」という人のためにのところで設定した「英語学習の目標」を思い出してください。まだ、目標を設定していない人は、時間を割り当てる前に、「自分は今どういうことを学習すればいいのか?」を考え、その計画を立ててみてください。

その目標に基づいて、どの時間帯のうち、どれだけの時間をどういった学習に使うかを考えてみましょう。

たとえば、20分しかない時間帯で「英語のドラマを観る」というようなことはできませんね。あるいは、満員電車にゆられ、つり革につかまった状態で「英語の新聞を広げて読む」などということもできません(まわりの迷惑にもなります)。こういった制約なども考慮しながら「学習メニュー」をデザインしてください。

また、「がんばって強するぞ!」というのはいいのですが、通勤時間の行き帰り、昼休み、帰宅後の自由時間もすべて使って「英語の猛特訓だ!」というのはやめておきましょう。続きません。たとえ継続できたとしても、心身の健康に良いとは言えませんので、どこかでひずみが来てしまいます。ローンを組むときと同様、「無理なく計画的に」が原則です。

ちなみに、上の「活用できそうな時間帯」から、「朝の通勤時間のうち40分」、「お昼休みの20分」、「帰宅後の自由時間のうち1時間」を活用することにしましょう。前のページでみた「1日のタイムテーブル」に「学習時間」と学習メニューを書き込んでみると次のようになります。



赤い部分が「英語学習」の時間帯です。たとえば、朝の通勤時間の40分では、ウォークマンなどを使って英語のオーディオブックなどを聴きながら「リスニングの修練」をすることもできます。もちろん、座席に座って通勤できる人は、英語のリーディングもいいでしょう。

「お昼休み」の20分は、たいしたことはできません。あまり集中しても午後からの仕事への切り替えに時間がかかります。ゲーム感覚でできる「単語テスト」などがおすすめです。

帰宅後の自由時間では、英語の番組を観るのもいいですし、集中して文法などを覚えるのもいいと思います。あくまでも、自分の目標に応じたメニューを考えてください。

以上、時間の使い方の例をとって説明しましたが、まず、今自分が24時間をどう使っているかを表にしてみることで、「空き」になっている時間や使えそうな時間が見えてくるはずです。なお、MS Excelで作成した「英語学習予定表」を準備していますので、よかったら活用してください。ダウンロードはこちらから。

あとは、「本気で上達したい」というやる気の問題、つまり「精神論」になってきます。「英語の学習」よりも「こっちのほうを優先したい」と思うものがあれば、それはそれでしかたないですね。結局はどちらをとるかの問題になってきます。


つまり、「時間がないからできないのか?」、「たとえ時間があってもやらないのか?」ということにもなります。

また、自分の時間表を作ってみたけど物理的に「空き」の時間がまったくない!という人は、「英語の学習」云々の前に、自分の生活を見直してみることが必要かもしれません。

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