経済力にもカゲリが見えてきたニッポン。そんな日本が国際社会をリードするには堂々と意見を主張できる英語力。軽いノリの日常会話ではなく、系統立てて意見を述べるには、そのベースとなる文章力が必要です。ここでは「前置詞の使い分け」について考えてみましょう。



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Last update June 30, 2019 (Originally posted November 13, 2002)

前置詞の使い分け (3)

では、もう少し例文を見てましょう。

1) The error message is displayed on the screen.
2) The error message is shown at the bottom of the screen.
3) Operating conditions or environments are described in the manual.
4) Please contact our sales offices by referring to the addresses provided at the back of this manual.
5) The following headings appear in the left column of the manual to help you locate different types of information.
6) Attach the wires to the connector.
7) Refer to the manual for the personal computer or PLC being connected.
8) The following table outlines the changes made to the manual during each revision.
9) Hook the product into the DIN Track.
10) Be sure to prevent penetration of water into the cable.
11) Be sure to prevent penetration of water through the cable end.

ということで、まず、例文の 1) と 2) を比べてみますと、エラーメッセージが画面上に表示されるということですが、使われている前置詞が違いますね。ただ漠然と画面上に表示されると言う場合なら、 on でいいわけですが、画面の「下」に表示というふうに、表示される場所が具体的になってくると at が使われますね。同じように、3) と 4) を見ると、ただマニュアルの中にある、という場合とマニュアルのどこら辺にあるというのでは前置詞が違うわけです。

そして、to なんかになりますと、「方向」といった意味合いも持っている前置詞ですから、6) のように、ワイヤーをコネクターに装着するという意味で使われていますが、7) のように refer という単語は普通 refer to というふうに使われ、自動的に toになるというようなことにもなりまして、つまり、動詞などに前置詞が続く場合は、動詞とペアになっているようなこともあるわけです。

また、10)、11) のように、ケーブルに水が入らないようにというのは同じですが、ただ単にケーブルのなかに水が入るのと、ケーブルの先端から入ってくるという場合と、やはり前置詞が違うわけです。いかがですか?なかなかややこしいもんですね。実際、機器をつなぐコネクターのような場合は、取扱説明書などを読めば「どれどれとつないでください」と書いてありますが、前置詞の場合はそういうわけにはいきません。じゃあ、どうすればいいのかということですが、悲しいかな、「これ!」という方法はありません。ま、確かに辞書なんかも参考にしながら、リーディングなどの鍛錬も積みながら、感覚的に判断していくしかないようです。アメリカ英語とイギリス英語でも一部使い方が違ったりしますからねえ。そこら辺は、やはり、縁結びのようなもので、仲人として、責任を持ちながら、このお坊ちゃんにはあのお嬢さんというふうに、よく考えて判断するわけです。





とはいえ、これで終らせるのもどうかと思いますので、それぞれの前置詞の特徴というものを、ちょっと標語のような形でまとめてみましたので、ちょっとご紹介させていただきましょう。もちろん、これ以外にもいろいろありますからね、これですべてOKというわけではないんですよ。では、標語ですからね、御一緒に読んでみましょう。

on  on は表面貼り付き、ピッタリと。
表面に接触している状態。上からでも下からでも貼り付いたり、くっついたりしている状態。
in  in は中からこんにちは。
何かの内部に存在している状態。
at  at は狭いが、具体的。
具体的な場所などをいう。
to  to は方向、あっち向いてホイ。
動詞などの指し示す方向、対象の前に。
into  into ぐんぐん進入中。
方向と内部を同時に表現。中に入っていく状態。
through  through はスルッと通り抜け。
内部に向かって進んでいくが、内部に留まらず、通り抜ける状態。
of  of は何かに所属中。
帰属や所属、所有を表す。

ということでですね、前置詞と言っても、まだまだありますから、頑張ってお勉強してみてくださいね。

ということで、最後に今日の説明をまとめまして、みなさん、お待ちかねの(?)「一句」を詠ませていただきましょう。
それでは、みなさん、ごきげんよう!

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