スペイン語文法ノート 英語では聞いたこともない代名動詞。一体どんな動詞なのか、そしてどんな場合に、どういった使い方をするのか、その分類や用法を見てみましょう。




代名動詞とは何か

Última actualización: 17 de abril 2016


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代名動詞 (verbo pronominal) とは

スペイン語の辞書を引くと、意味の後のほうに「~se」という表記がある動詞があります(すべての動詞がこれに該当するわけではありません)。そして、その表記の後にまた意味が書かれているのですが、この「~se」というのは、たとえば動詞が「levantar」であれば、「levantarse」ということで、このように「~se」がついた動詞を代名動詞と呼んでいます。

この「代名動詞」とは、一体どういう動詞かというと、基本となる動詞(例:levantar)と再帰代名詞を組み合わせて使用する動詞(例:levantarse)という意味です。再帰代名詞とは、自分自身を表したり、自動詞的な意味合いを持たせる役割を持っています。「~se」の「se」は、3人称の再帰代名詞を表しますが、不定形で表現する場合、代表としてこの3人称の形を使用するというわけです。したがって、実際に使用する場合は、主語の人称(私や君)などに合わせて再帰代名詞も異なります。再帰代名詞については、スペイン語の再帰代名詞をご覧ください。

代名動詞とは、再帰代名詞を伴うことから、人間や動物などの動きのある動作主が静的な受動主にダイレクトに影響を与える「能動態」からその「能動性」を弱める働きを持っています。また、能動態、受動態のように「動作主」、「受動主」という2つの対象を扱うのではなく、主語となる対象に焦点を絞り、その自発的、自生的な動きや動作を表現する場合に使われます。このような表現の態を「中間態」と呼ぶことがあります。




代名動詞の用例は、一定の分類に当てはめることは不可能であり、文法書などによっても異なりますが、ここでは下記のように分類しています。

分類 説明
再帰表現を表す代名動詞 「自分自身を~する」といった再帰表現を形成する。
再帰代名詞は「自分自身」を指す目的語。
スペイン語の再帰表現」を参照。
lavarse (洗う)
bañarse (風呂に入る)
相互表現を表す代名動詞 「お互いに~する」といった複数の対象の間での相互的な動作を表す。
再帰代名詞は「自分自身」を指す目的語。
再帰代名詞の「相互代名詞」を参照。
escribirse (文通する)
pelearse (けんかをする)
自動詞的な意味を持たせる代名動詞 他動詞を自動詞に変える働きをする。
再帰代名詞は動詞の一部。
自動詞の役割をする代名動詞」を参照。
中間態の「状態・性質の表現」、「自発的動作の表現」を参照。
levantarse (起き上がる)
sentarse (座る)
微妙な意味を持たせる代名動詞 他動詞→自動詞の変化ではなく、異なる意味やニュアンスを出す。
再帰代名詞を削除すると意味が変わる。
中間態の「微妙な意味の変化」を参照。
dormirse (寝入る、しびれる)
quedarse (居残る、選択する)
apropiarse (自分のものにする)
強調・意味を変化させる代名動詞 動詞の意味を強めたり、感情移入する役割をする。
再帰代名詞を削除しても意味自体は変わらない。
中間態の「関心・強調の表現」を参照。
morirse (死んでしまう)
salirse (立ち去る、行ってしまう)
comerse (食べてしまう)
代名動詞の用法しかない動詞 「~se」の形でしか使われない動詞。
再帰代名詞は動詞の一部。
中間態の「強制的代名動詞」を参照。
arrepentirse (後悔する)
quejarse (不平を言う)