スペイン語文法ノート 英語では聞いたこともない代名動詞。一体どんな動詞なのか、そしてどんな場合に、どういった使い方をするのか、その分類や用法を見てみましょう。




自動詞の役割をする代名動詞1

Última actualización: 12 de junio 2018


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他動詞 (verbo transitivo) と自動詞 (verbo intransitivo)

代名動詞とは何かのところでも説明しましたが、代名動詞の分類のひとつとして、もともと他動詞である動詞を自動詞にするという特徴があります。自動詞にするといっても、その動詞自体の種別が自動詞になってしまうということではなく、自動詞のような働きをするという意味です。

ここで、いちおう他動詞と自動詞とはどういった動詞なのかを確認しておきましょう。

英語でも同じですが、その基本的な違いとは、他動詞は「目的語」を必要とし、自動詞にはそれが不要(使用しない)であるということです。

「起きる」と言えば、主語となる行動主自身が「起きた」のだということになりますが、「起こす」と言った場合、「誰を」起こしたのかという目的語がなければ文章が成り立ちません。そこで、目的語が必要になってくるのですが、その目的語(受動主)に対して、行動主がアクションをおこすことでその影響を与える、つまり、行動主から受動主に動作が移行する(transition) ということから、他動詞 (verbo transitivo) と呼ばれます。それに対して、「自動詞」は、相手を巻き込まず、行動主、あるいは主語となる対象自身の中で完結する動作を表すものだと言えるでしょう。


Carmen abrió la puerta.
(カルメンはドアを開けた。下線は目的語)―他動詞
Entraron por la puerta más grande.
(彼らは一番大きなドアから入った。)―自動詞
Comieron fruta en el desayuno.
(彼らは朝食に果物を食べた。下線は目的語)―他動詞
Almorzaron en aquel restaurante.
(彼らはあのレストランで昼食を取った。)―自動詞

では、どんな動詞でも目的語をつければ他動詞になり、つけなければ自動詞になるというわけではありません。ここら辺が日本語と異なり、不便な点でもあるのですが、目的語を持たせて表現できる動詞なのかそうでないのかということは、個々の動詞によって違うのです。

英語では、surprise など「驚かす」という他動詞としての用法しか持たない動詞もありますが、かなりの数の動詞が「他動詞」「自動詞」の両方の機能を持っています。ところが、スペイン語では、動詞もありますが、両方の用法を持っている他動詞、あるいは自動詞としてしか機能しない動詞が多いのが特徴です。詳しくは、スペイン語の常用動詞を参照ください。