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そこがりたい日本にほんの「なぜ」?

なぜ2月3日にがつみっかにはまめまきをするの?




Last update January 11, 2023

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2月3日にがつみっかには日本全国にほんぜんこくまめまきがおこなわれます。人々ひとびとおにいかけ「おにそとふくうち」とさけびながらまめをまきます。ここでう「おに」とは、季節きせつわりなどにあらわれるネガティブなエネルギーを比ゆ的ひ てき表現ひょうげんしているのです。もちろん、「おに」とっても実在じつざいする生き物い ものではないので、だれかがおにめんをかぶってそのやくえんじます。

ところで、なぜこのはそんなに特別とくべつなのでしょうか?「せつける」ということで「節分せつぶん」とばれ、あたらしい季節きせつ到来とうらいげます。じつ日本にほんにはこれ以外いがいにもみっつの節分せつぶんがあります。なつあきふゆ節分せつぶんですが、このはる節分せつぶんはとくに重要じゅうようで、「節分せつぶん」とえばこの2月3日にがつみっかすことがほとんどです。おそらくはるは、一年いちねんのうちでももっとどおしい季節きせつであるからかもしれません。

しかし、はるたからとってなぜ人々ひとびとまめをまくのでしょうか?それは、「おに」を退治たいじするためです。でも、食べ物た ものひとつにすぎない「まめ」が鬼退治おにたいじ武器ぶきになるとはとてもおもえませんね。ちなみに、こんなつたえがあります。

そのむかし宇多天皇うだてんのう(887~897)の御代みよに、おにみやこらし人々ひとびとこまらせていたことがありました。そこで、なんとかしなければならないとがったのが、鞍馬山くらまやま僧正そうじょうでした。そう祈祷きとうをし、京都北部きょうとほくぶにある深泥池みどろがいけちかくの石穴いしあなにあるおにみかをめ、出口でぐちふさぎ、546キロのまめげつけおにをつぶし、なんのがれたということです。
それでも、まめごときでおにたおせるかというと、もうひとつすっきりしませんよね。同感どうかんです。ちなみに、やはりたよりない説明せつめいですが、こんなはなしもあります。つまり、「まめ」は「魔目まめ」(邪悪じゃあく)とおな読み方よ かたをすることから、まめ魔目まめをつぶすというわけです。ただの「だじゃれじゃないか」とおもってしまいますが、言葉ことばまめなどの穀物こくもつにもたましい宿やどるとしんじていた古代こだい日本人にほんじんにとっては、それだけでもあきらかな根拠こんきょになったとえます。

ところで、仏教ぶっきょうでは、おに邪悪じゃあくこころからこころへと転生てんしょうできるとしんじられており、おにけてまめをまくことで、よこしまなこころ取り除と のぞき、さとりへとみちびくことができるという考え方かんが かたがあります。つまり、「おにそとふくうち」というのは、わるいものをそとしていものにえたのちうちむというわけです。そういう意味いみではまめまきはたのしくあかるい儀式ぎしきということになります。「慈悲じひ」にもとづく仏教ぶっきょうならではの発想はっそうですね。

もうひとわすれてならないのが、「恵方巻えほうまき」という特別とくべつ寿司すしです。特製とくせい寿司ずしらずにながいままべるのですが、「なぜ節分せつぶんべるの?」という疑問ぎもんがわいてきますね。じつはこれ、バレンタインデーのチョコレートとおなじで、「もっとお寿司すしべてもらおう」というマーケティング業界ぎょうかいの「美味おいしい陰謀いんぼう」がもとになっている ようです。


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