こんなに違う古英語の文法 (1)自由な語順まず、わかりやすいところから始めましょう。学校文法で習った「たとえば、次のような文章があるとします。
これを では、ちょっと試しに少し語順を変えてみましょう。
当然のことながら、ちょっと意味が違ってきますね。では、
以上のように、現代の英語は語順が「命」なのです。 ところが、古英語では、日本語と同じように、
その種明かしとなるのが、格
となるわけです。古英語では語彙も現代と大きく異なり、
となります。微妙に語尾が変わっているのがわかりますね。つまり、「男 というわけで、「その男
というふうになります。「男 「~は、が」といった主語になるような格を「主格」 ところでもう1つ、お気づきだと思いますが、変化するのは名詞だけではありません。それにつく冠詞や形容詞もいっしょに変化するわけです。名詞の格や名詞の性 では、実際に、古英語における「その男」という部分
こういった格変化のおかげで語順が変わっても意味が通じるわけです。ただし、これはあくまでも可能性のことを言っているわけで、古英語では語順が自由奔放だったというのではなく、動詞が二番目にくるような文章表現が一般的でした。 また、日本語の「てにをは」に考え方は似ていますが、文法上の分類としては、日本語と古英語はまったく異なります。古英語のような特徴を屈折言語 |