Stage 1 の特徴 (1)
前のページでも述べましたが、スペイン語の定冠詞は、英語などと同様に
Stage 1 にあると言えます。その特徴をまとめると以下のように分類することができます。
2つの方向性
まず、大きく2つの方向性があります。そもそも定冠詞が生まれた「必要性」と、それを使ううえでの「ルール化」という流れですね。その名詞が「既出のものである」とか「すぐにわかるところにある」ということを示唆する必要性があって定冠詞が登場するわけですが、それを人々が使っているうちに、必ず「その用法は違う」、「こうあるべきだ」という議論が出てきます。そこで「ルール」が必要になってきます。つまり、「文法」になってくるわけです。
そして、これも一般的な傾向ですが、使用しているうちに、必ず用法が増えていきます。「ここに使うんだったらここにも使わないといけない」といったルールを踏襲しようとする動きです。余談ですが、そういう試みのなかには「勘違い」や「間違い」も含まれることがありますが、その間違いが定着してしまって「ルール」になってしまうこともあります。それはさておき、定冠詞を使わないと誤解が生ずるという「必要性」と、「必要性」というよりも「ルール」だから定冠詞を使うという2つの方向性があるということです。
定冠詞のつく名詞の広がり
本来の定冠詞の役割は、「1つの(唯一の)名詞を特定」することでしたから、当然名詞は「単数名詞」になります。しかも、共通の認識ができるような名詞であることが必要なため、具体的な実体のある名詞(具象名詞)だけを対象としていました。それが、だんだん広がり、単数の具体的な名詞だけでなく複数の具体的な名詞、さらには「抽象名詞」にも使われるようになるという流れがあります。
以上のような大きな方向性や流れをおさえたうえで、それぞれの傾向について見ていきましょう。