スペイン語文法ノート 英語なら1種類しかない「~した」という過去の事実を述べる表現。スペイン語では点過去と線過去の2種類があり、文章を作るたびにどちらを使えばいいのか悩むところ。その使い分けなどをまとめてみました。




「点過去」と「線過去」の比較

Última actualización: 23 de septiembre 2017


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「点過去」と「線過去」の比較

スペイン語では、点過去(完了過去、不定過去)(pretérito indefinido) と線過去(不完了過去)(pretérito imperfecto) の2種類があります。その他、複合系(英語で言えば had been のような形)も含めれば過去完了 (pretérito pluscuamperfecto; antecopretérito)、直前過去 (pretérito anterior; antepretérito) が追加され、全部で4種類の過去形があると言えます。

ここでは、基本となる「点過去」と「線過去」について説明します。その違いについてまとめてみると下の表のようになります。




  点過去(完了過去、不定過去) 線過去(不完了過去)
イメージ 事実の言及:事実だけを淡々と…
「朝起きた。顔を洗って、歯を磨いた。そして朝食を取り、8時に家を出た」など、過去に起きた出来事を単純に羅列する。
状態の描写:事柄じっくり、細やかに…
「朝起きたら、雪が降っていた。白い花びらのような雪が、ひらひらと風に舞い、ゆっくりと地面に落ちて行った」などのように事柄を描写する。
時間の概念 絶対時制
語られる事柄の時制が、「絶対的な過去の時点」として導入される。
区切られた時間
時間の区切りが明確で、心理的に「完了している」時間。
相対時制
想定された時間に対する相対的な線として説明される。
区切りのない時間
時間の区切りがあいまいで、心理的に「完了していない、継続している」時間。
話者の視点 現在
話し手は、「現在」から「過去」の出来事を単なる事実として「客観的」に述べる。
過去
話し手は、心理的に「過去」のその時に戻り、その出来事の「状態」について「主観的」に描写。
特徴・役割  絶対的な過去の時点を導入する
 継続しない事柄として語る
 完了した事柄として語る
 ニュースの過去
 リアルの過去
 次の出来事を提起
 直裁さと明確さ
 文章に軽快さとリズム感
 相対的な過去の出来事を説明する
 継続した習慣的な事柄として語る
 完了していない事柄として語る
 物語の過去
 バーチャルの過去
 展開をいったん停止
 婉曲とあいまいさ
 文章に重厚感
例文 Hice un viaje por España.
(私はスペインを旅行した。)
Aquí hubo un accidente de tráfico.
(ここで交通事故があった。)
Mi abuelo murió hace diez años.
(私の祖父は10年前に亡くなった。)
De repente, empezó a llover.
(突然、雨が降り始めた。)
Carmen era muy guapa, tenía el pelo largo y los ojos verdes.
(カルメンはとても美しく、長い髪と緑の目をしていた。)
Iba mucho a la playa cuando era pequeño.
(小さいころよく海岸にいったものだ。)
Frequentemente después de la cena visitaba a mis amigos.
(夕食後、よく友人のところに遊びに行った。)
Cuando me estaba duchando, sonó el teléfono.
(シャワーを浴びているときに、電話が鳴った。)