スペイン語の2人称について
特に英語などと異なる点は、スペイン語では、フランス語などの他のラテン系の言語と同様に、2人称には親しい間柄で使う
tú (vosotros) とていねいな言い方である
usted (ustedes) の二種類がある点です。
usted (ustedes) は略称を用いて、
Vd. (Vds.) あるいは
Ud. (Uds.) と表記されることもよくあります。また、人称としては2人称ですが、動詞の活用は3人称の活用と同じです。(
→スペイン語動詞活用表)
ところで、親しい間柄=
tú、ていねいな言い方=
usted という図式がよく使われますが、たとえば
tú を使ったら失礼になるとか、相手を見下しているとか、
usted は敬語のようなものかということではありません。基本的な使い方として以下のような傾向があります。
tú (vosotros) は家族、友人などの間柄で使い、usted (ustedes) は初対面の人に対して使う。
初対面であっても、子供に対してや若者同士では、tú (vosotros) を使うことが多い。
tú (vosotros) は親しみや信頼関係の表れであり、失礼や軽蔑ではない。
usted (ustedes) はよそよそしさを感じさせる部分もあり、距離感を表す(例:親が子供を叱る場合など)。
また、中南米では、
tú の代わりに
vos を使う傾向が強く、
tú の複数形の
vosotros は使われません。詳しくは、
2人称代名詞 vos を参照ください。